CROWN No.152 ページ2
‥
『俺は別にディーラーと繋がってないからね？』
そう微笑むのは、金髪とモノクロの衣装を持つ隼。
彼が動くたびに彼の腰に垂れ下がった黒く長いベルトが揺れる。
ハイスツールの座席の部分がくるくると回るたびに、彼のベルトと椅子の脚の金属部分がぶつかって硬い音が生まれる。
普通ならば耳障りな音なのだけど、ここはカジノであって、大きな稼働音が途切れることはまずない。
ここはカジノ。
騒音の中にいながら、無音の空間にいるのと同じ。
隼「さあ、次は？」
隼は急かすように、でもじっくり焦らすように。
そう私に話しかけてくる。
楽しんでる感じがした。
彼はきっと、内容など関係なく、この賭けを楽しんでいる。
……そう思いたい。
A「……」
隼「あのさあ、ちょっと俺思ってたんだけど」
グラスが、隼の手を離れて卓上に置かれる。
その声のトーンが普段と少し違った。
思わず身体が固まって、隼に顔を向けることがままならない。
やっと顔を向けられたと思ったら、妙に鋭い視線が刺さった。
隼「Aちゃんが今、ずっと持ってる感情は何でしょ？」
A「……っ」
ルーレットの卓は、イメージしていたよりも細くて横長い。
だから、隼の顔が近くて、鼓動が身体を火照らせる。
もちろん変な意味じゃなくて、その感情のせいで。
隼「何でずっと俺らを "怖がってる" わけ？」
A「……」
それは……言えるわけないじゃない。
7人がそれぞれ、2面性を持っていて、それに触れるのが怖いと。
裕太のクールさと凶暴さ。
涼太の爽やかさと儚さ。
そして、亜嵐や玲於、龍友もメンディーも、そして隼も。
それぞれが私に垣間見せるその "表裏" が、その感情として映り、私を陰らせる。
──ドクン
……？
──この、妙な胸の高鳴りは……
悪い意味での高鳴り。
落ち着かなくて、地面の下から何かが這い出て来て足首を掴まれそうな、この感覚は……
いったい、何なのだろう……
‥
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もも - 面白いです！更新お願いします！ (2021年1月24日 23時) (
レス) id: 0e215cea34 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - コメント初めてさせてもらったので言葉とか変だったらすみません。また何回も読み返してゆっくり更新待っているので頑張ってください!! (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - 4回くらい読み返させてもらってます!!何回読んでも最高で、最後まで読んでは続きがはやく読みたいーって1人で騒いでますwゆっくりでいいですが、できたらはやく続き読みたいです(言ってること矛盾しててすみません)あとオチは佐野玲於だと嬉しいです。 (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - ゆっくりでいいので更新待ってます！亜嵐くん落ち希望です！ (2020年10月26日 18時) (レス) id: 95ffd40df7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 隼くん落ち期待しています！！ (2020年10月21日 21時) (レス) id: 1c9bc00d48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kyoh.
| 作成日時：2019年1月24日 4時
