CROWN No.118 ページ18
‥
本を1冊読み終わると、萩花とクッキーを食べ。
その後、夏恋とバスケをした。
全部、昼休みのうちに。
クッキーを食べるのもバスケをするのも3人だったけど、ことあるごとにふたりは喧嘩をする。
本気じゃないだろうけど、ひどく疲れる。
私が呆れているのにも、ふたりは気づかない。
夏恋「お姉ちゃん嫌い!
"CROWN" 、バスケの続きやろう!」
萩花「何でそのひと言で片づけようとするわけ?!
そうやってすぐ逃げようとするとこ、ほんと子供!」
夏恋「はあ?! だってお姉ちゃ」
A「あの」
低く、今にもキレそうな声で言えば、ふたりはすぐ大人しくなる。
それが続けばいいのに、新しく行動しようとすると、ふたりは性格が反対だからすぐに対立してしまう。
『帰る』とわざとらしく歩く方向を変えれば、ふたりは慌てて引き止めた。
『もう喧嘩しないから!』と言われるけど、疑問。
3度目の正直。(3度以上だけど)
バスケもクッキーも、ちゃんとできた。(ちゃんとできたとは)
さっきより口数も減った。
でもそれがあまりにも居心地悪くて、私がふたりの媒体になる。
A「それで、……だからね」
萩花「あ、それで夏恋が負けたんだ」
夏恋「違うよ、夏恋のせいじゃないよ!
それはあの時お姉ちゃんがずるしなきゃ」
A「ぅゔん」
萩花、夏恋「「すいません」」
この人達にとっては、 "CROWN" なんてそんなに重く高い存在じゃないのかもしれない。
他の囚人や刑務官は、私を見ると避けたり敬礼したり。
とにかく距離を取るようにしてる。
でもそれが嫌悪感からじゃなくて "CROWN" の肩書きから来る恐れ多さのようなものだと言うことも、最近解ってきた。
それに対して、このふたりは、そんな壁のようなものが見受けられない。
フレンドリーと言えばそうだけど、ふたりには "慣れ" のようなものがあるのかもしれないと思う。
コンクリートに体操座りして、膝に頬杖をつく。
足だけは砂場にあって、ジャリ、と音を立てる。
さりげなく顔のえら骨の部分にある肌を手の平で伸ばしながら、ふたりを見る。
仲は、今までの兄弟姉妹よりずっといいように見える。
萩花「だから、萩はずるしてないって!
夏恋が勝手にコケたんでしょ!」
夏恋「違うよ、お姉ちゃんがあたしの足引っかけたの!」
……本当に仲がいいのか。
兄弟姉妹が
‥
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シェリル(プロフ) - 最初から一気に読ませていただきました。小説に引き込まれ、楽しくドキドキしながら読ませていただき、素晴らしい小説に出会えました!書くのは大変だと思いますが、京羽さんの小説の虜になってしまったので、これからも応援しています!オチは片寄くん希望です。 (2018年12月23日 18時) (レス) id: 04471f650b (このIDを非表示/違反報告)
さぁや(プロフ) - お話の構成や、人物の様々な表情が細かに書かれており読みごたえがありました。片寄くん希望です。 (2018年10月25日 17時) (レス) id: 0e28084fa3 (このIDを非表示/違反報告)
たちばな(プロフ) - 京羽さんの言葉のセンスやとても凝っているお話の構成が大好きです。読むたび次話が楽しみでなりません。これからも楽しみにしています! オチは玲於くん希望です (2018年10月23日 22時) (レス) id: 37da8e3cba (このIDを非表示/違反報告)
殺し愛(プロフ) - BIC CITY RODEOからこの世界観を作り出すなんて凄いです!GENEのメンバーも現実設定の様で違う様な…独特の設定で面白いです。最後に、オチは隼君が良いです! (2018年10月22日 17時) (レス) id: ee020fb2bb (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - コメント失礼します!京羽さんの語彙力わたしに分けてほしいです、、笑 オチは亜嵐ちゃん希望です!かつこいい亜嵐ちゃん期待してます!!! (2018年10月22日 6時) (レス) id: bc935dea58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kyoh. | 作成日時:2018年1月26日 0時