CROWN No.112 ページ12
‥
玲於「俺、 "BIG CITY RODEO" day 2が終わった後さ、送ったじゃん……Aのこと」
隼「そうだね」
何だかいけ好かなかった。
今までの "CROWN" とは違って、愛想もないし俺らに興味もない。
だからちょっと喧嘩腰で接すれば、意外と気が強くて。
こっちが手の平で転がされそうなほどに。
きっと裕太くんが過去を話した後だったから……
裕太くんはちょっとすっきりした顔をしていたんだ。
俺だって、頑張ってたさ。
過去を話していない裕太くんはどこか壁を作ってて、独善的で。
そんな裕太くんに、俺は、どこか信頼されたかったんだと思う。
俺の過去を、裕太くんは知ってる。
でも、裕太くんの過去を、俺は今日まで知らなかった。
──先を越されたみたいだ
あんなに必死になってた自分がどこかバカバカしくなる。
だから、たった……たった1日で裕太の心を開いてしまったAを、憎んでいるのかもしれない。
……絶対堕としてやる。
そう思ったから、Aを送ることに挙手をした。
いやまあ、元々堕とす気でいたから、 "ただのノリ" でキスもしたわけだけど。
車の中の雰囲気はね、そりゃあ最悪だったよ。
Aのその雰囲気が、俺をいらつかせる。
何でかって、それは全く解らない。
玲於「『誰かを大切に想えるなんて』って言ったんだ」
何のことか解らなかった。
でも、裕太くんの話を聞いた今なら解る。
多分、話していてふと思ったんだろう。
窓の外……濡れた外界を眺めながら、Aはぽつりと。
A『誰かを大切に想えるなんて……羨ましいな』
玲於『あ？ 何か言った？』
A『……別に』
裕太くんは、弟のことが好きだった。
『弟を大切に想えることが羨ましい』。
『弟に大切に想われてるなんて、羨ましい』。
そう言う意味なんだろう。
でも小声だったし、咄嗟に、俺は聞かぬフリをした。
龍友「……Aには、大切に想える人がおらん言うこと？」
涼太「いや、多分……
今の流れだと、 "大切に想える人がいない私は……" って言うニュアンス？」
隼「は、え、何？ 自意識過剰のご自慢娘さんですか？」
メンディー「いや、本物の自慢したがりさんは自分から『あたし不幸せなんだよねえ』って言ってくるじゃん」
亜嵐「ああ、いるなそんな奴。俺嫌いだけど」
裕太「前の "CROWN" はそんな感じやったなあ」
玲於「……ははっ」
‥
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シェリル(プロフ) - 最初から一気に読ませていただきました。小説に引き込まれ、楽しくドキドキしながら読ませていただき、素晴らしい小説に出会えました！書くのは大変だと思いますが、京羽さんの小説の虜になってしまったので、これからも応援しています！オチは片寄くん希望です。 (2018年12月23日 18時) (
レス) id: 04471f650b (このIDを非表示/違反報告)
さぁや(プロフ) - お話の構成や、人物の様々な表情が細かに書かれており読みごたえがありました。片寄くん希望です。 (2018年10月25日 17時) (レス) id: 0e28084fa3 (このIDを非表示/違反報告)
たちばな(プロフ) - 京羽さんの言葉のセンスやとても凝っているお話の構成が大好きです。読むたび次話が楽しみでなりません。これからも楽しみにしています！ オチは玲於くん希望です (2018年10月23日 22時) (レス) id: 37da8e3cba (このIDを非表示/違反報告)
殺し愛(プロフ) - BIC CITY RODEOからこの世界観を作り出すなんて凄いです！GENEのメンバーも現実設定の様で違う様な…独特の設定で面白いです。最後に、オチは隼君が良いです！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: ee020fb2bb (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - コメント失礼します！京羽さんの語彙力わたしに分けてほしいです、、笑 オチは亜嵐ちゃん希望です！かつこいい亜嵐ちゃん期待してます！！！ (2018年10月22日 6時) (レス) id: bc935dea58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kyoh.
| 作成日時：2018年1月26日 0時
