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CROWN No.73 ページ23






涼太「揉み合っているうちに、父親の腹に刺さった。
 母親は、正当防衛だった」


A「それなら、その場で救急車と警察を呼べば……」


涼太「いや、それはできなかった」


A「……どうし、」









『どうして』と訊くところで、口を塞いだ。
やってしまうところだった。
でも、涼太はくすりと笑って、私の顔を自分に向けた。
頬に触れた手は、温かく感じた。



さっきの青白い表情のままだった。
笑っているのに、眉が下がっているから哀しい。









涼太「彼女の精神状態は普通じゃなかったかもしれない。
 ……誤って刺した後、彼は死んだ。
 でも、彼女は……彼を刺し続けていた」


A「……!」


涼太「今までの鬱憤と言うか、ストレスが、彼女が抱えきれないほどまでに膨れ上がっていて、彼が死んだことで、一気に容量をオーバーした。
 俺が帰った時には本当はもう、目以外原型を留めていなかった、から……正当防衛で通すのは難しかったんだ」


A「……」


涼太「俺はもちろん、警察に通報しようとしたよ。
 死んでいるのは明白だったから、救急車は手間だって」









でも、受話器は彼女の手で元の場所に押さえつけられた。
彼女の息は荒くて、異常だった。
何を言っても聞こえないのだろうと、自分は悟る。
理性を亡くしたような、常軌を逸した目。
その目を見た自分は、もう彼女の言うことに従うしかなかった。



自分と彼だったモノを車に乗せ、彼女は山に向かった。
もう陽は暮れていて、特に街の光が大人しかったここらでは、星がよく踊っていた。
荒れ道を押し通して車が到着した場所は、ベテランの登山者でも来ないであろう場所。
周りには木々が覆い茂り、日が照っていても影のままでありそうな場所だった。



まだ高校1年生だった。
彼女は、平凡な男子高生にスコップを渡した。
視線に震えながら、少年はスコップを受け取る。
それから……









涼太「2時間かけて、埋めた」


A「……」


涼太「彼女に言われて埋めたか自分で埋めたかは忘れた。
 でも、俺はこの手で、仮であっても父親を埋めた。
 そして、何事もなかったかのように車で帰った。
 立派な、死体遺棄……犯罪の手助けをした」


A「……」


涼太「でも、すぐバレた」




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- 昨日見つけてここまですぐ読んでしまいました!凄くみんなの過去が気になって惹き込まれます!!!これからも応援しています! オチは裕太くんか隼くん希望です! (2018年3月5日 12時) (レス) id: f0e5b106b0 (このIDを非表示/違反報告)
ぐっちー(プロフ) - いつも見ています!主人公の過去が気になって、いつもドキドキしながら見てます!これからも頑張ってください!応援してます! (2018年1月25日 19時) (レス) id: 900406c4cd (このIDを非表示/違反報告)
星華(プロフ) - 初めまして!楽しく読ませていただいています。オチは誰でもいい気がしてきました笑頑張ってください! (2018年1月25日 18時) (レス) id: f0eebf7f9c (このIDを非表示/違反報告)
和佳奈(プロフ) - これからどんな風になるのかどんな過去があるのかすごい気になります!!オチは龍友がいいです!これからも頑張ってください! (2018年1月25日 2時) (レス) id: 74371510d3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!前にオチは亜嵐くんがいいって言ったんですけど、読めば読むほどどのメンバーのオチも気になって仕方がないです笑 でも1人にしぼるなら亜嵐くんで! 大変だと思いますが、頑張ってください!応援してます!! (2018年1月23日 11時) (レス) id: fea3c16bd8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kyoh. | 作成日時:2017年11月12日 20時

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