【BIG CITY RODEO / GENERATIONS】 CROWN

CROWN No.8 ページ8

‥




その後、私はまた元の囚人達の中へ戻された。
ピアスをつけている私に色々な声が飛んでくるけど、私はなりたくてなったわけじゃないから全部無視。



集団行動、所内の掃除、社会復帰のための作業。
夜ご飯も終えて、部屋へ帰れと刑務官の声が飛ぶ。









「ねえねえ、貴方が今度の "CROWN" ？」









歯磨きを終えて牢に戻ろうとすると、声をかけられた。
肩を叩かれて振り返れば、そこには美人がふたり。
……姉妹、だろうか？









A「あの……？」


夏恋「ああ、私は夏恋。番号は "716" 」


A「……」


夏恋「で、こっちがお姉ちゃんの萩花。番号は "1014" 」


萩花「よろしく、"CROWN"」


A「"CROWN"なんて、そんな」


萩花「あんた面白いね。
　あの7人に選ばれたんだから、これからそう呼ばれるよ」









無邪気そうで明るい妹の、夏恋。
対象的にクールな姉の、萩花。



洗面所から帰りながら、ひそひそで話す。
途中ですれ違った刑務官に睨まれたが、私の耳についたピアスを見て、まさかの敬礼。









萩花「私達が貴方のことを名前で呼ぶのは禁止。
　でも、貴方なら私達の名前、知っていれば呼べるから」


A「ここ、変な決まりがあるのね」


夏恋「あの7人がいるからね！
　でもそのおかげで、ちょっとは自由が効くんだよここ」









食堂から牢まで、たしかに自由に帰ってこれた。
それは、あの7人が言ったからだろうか？
たしかに、普通の刑務所じゃない。



監獄長じゃなくてあの7人がここのトップだと言うこと。
"BIG CITY RODEO" とか言うパーティーが開かれること。
"CROWN" に選ばれた人にも、優遇がついてくること。









A「 "BIG CITY RODEO" って、どんなパーティーなの」


夏恋「それは解らないよ。ただ、すごい楽しいみたい。
　今までの "CROWN" も、そう言ってた」


A「今まで？」


夏恋「そうだよ。
　 "BIG CITY RODEO" が開催されるのは初めてじゃない。
　今まで何回か、不定期で開催されて……その度に、女囚の中からひとりだけ、 "CROWN" が選ばれた」


萩花「その人達は言うのよ、『夢の中にいるよう』って。
　でも……」


A「でも？」









次の萩花のひと言に、私は思わず足取りを止めてしまう。




‥

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