CROWN No.7 ページ7
‥
刑務所の中とは思えない、
赤や黒を基調とした、暗めな部屋。
天井から吊り下げられたシャンデリアの明かりだけが、部屋を照らす。
昼のはずなのに、遮光カーテンが閉められている。
A「 "CROWN" なんて、興味ないよ」
涼太「拒否権なんてないよ」
A「え?」
涼太「言ったでしょ、ここは俺達がルールなの。
その俺達が『君を "CROWN" に』って言えば、それはもう決定事項で誰にも変えられない。
もちろん、監獄長ですらも」
A「そんな勝手な……」
裕太「勝手とはちゃうで?
俺らはちゃんと、今のこの地位は "勝ち取った" からな」
勝ち取った……?
意味ありげにその言葉を呟いた裕太。
赤髪が、派手なチャームポイント。
メンディー「耳、穴開いてるよな?」
A「……」
メンディー「よし」
ピアスを開けたことがあるかと訊かれ、頷く。
メンディーは椅子から立ち上がって、私に近づく。
何だろうと警戒すると、彼はポケットからある物を取り出して私に見せた。
A「ピアス……?」
メンディー「 "CROWN" が "BIG CITY RODEO" の開催中にずっとつけとく奴」
A「王冠の……」
プラチナの、細やかな装飾が施されたピアス。
それも、左耳だけ。
A「これは、ペアじゃないの?」
玲於「それと同じデザインの指輪を、俺らが持ってる」
そう言って、彼らは私に指の甲を見せる。
たしかに、今ここでメンディーにつけてもらったピアスと同じ装飾が、それぞれ彼らの指で光っている。
流されるままピアスをつけてしまったことに気づく。
キャッチに手を伸ばせば、その手はメンディーに掴まれた。
力が強くて、痛みで顔を歪ませてしまう私。
一瞬真顔だったメンディーは、さっきのそれが嘘のように笑った。
龍友「逃げようとか思うんは止めといたほうがええで。
むしろ選んでほしいて頼み込んでくる奴のほうが多いんやからな。
さっきの新入りいじめとかまだ初歩の初歩やで?」
A「……」
龍友「図星かいな笑
どっちにしろあっちゅう間に噂になる。
でも断れば、『何で私は選ばれなかったのに、選ばれたお前は辞退するんだ』って冷たい視線が来るんちゃう?」
隼「女の子って怖いよねえ笑」
つまり。
A「やるしかない、と」
亜嵐「そう言うこと♪」
‥
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ピヨコ - はじめまして!!いつも作品を読ませてもらっています。本当にこの作品が面白くて読むのがとても楽しいです!ちなみに私は涼太君オチがいいです。これからも頑張ってください!! (2020年3月11日 21時) (レス) id: eb22d40d8e (このIDを非表示/違反報告)
じゅり - 今までにないストーリーに感動!とても面白いですね(*^ω^*) (2018年2月21日 15時) (レス) id: f641cbabc6 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - 京羽さん» 楽しみにしてます!!このお話読んでたら、BIG SITY RODEOでこんなにも沿っててんで、内容も濃くてほんまに凄いと思っています!!語彙力無くてすみません…これからも頑張って下さい!! (2017年12月12日 12時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
京羽(プロフ) - みのよせさん» 誤字の指摘ありがとうございました! オチについてはめちゃくちゃ悩んでます! 佐野さんの過去も楽しみにしていただけたら嬉しいです! (2017年12月11日 17時) (レス) id: 25532f7237 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - あの、突然すみません!!No.46だけかも知れませんがゆっぴの裕が祐になってます!このお話大好きで楽しみながら読ませてもらってます!!あ、オチは玲於でお願いします。あの可愛いれおたんが喜ぶとこを見たいだけです(笑)←これからも頑張って下さい!! (2017年12月10日 23時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京羽 | 作成日時:2017年10月18日 16時