CROWN No.40 ページ40
‥
A「自分の分まで笑っていてほしい。
貴方の笑顔が好きだから。
しょうもないことやってたとしても……
兄弟で、ずっと笑っていたんでしょう」
裕太「……ずるいなあ、お前。
突然ぺらぺら喋りよってからに」
A「喋り出したのはそっち。
でも、兄弟間の絆なら……
共感できるし、解りたいと思う」
私の言葉は、きっと彼を変えることはないだろう。
言ったところで彼の影に潜む狂気が消えることはない。
でも、それでも、ひと欠片でも彼に届くなら。
A「彼は、貴方の笑顔が好きだから。
貴方が笑えば、きっと彼も笑う」
裕太「ほんま、お前は……」
A「何」
裕太「大した "CROWN" やな。
人の気持ちも知らんとぺらぺらと」
A「私は……ただの犯罪者だよ」
欠片は、届いたかどうかは判らない。
でも、届いたと思いたい。
だって、目の前にいる赤髪の彼は、
今、とても優しく笑っているのだから。
.
.
亜嵐「A、来てたんだね。
何でそんな端っこにいんの?笑」
A「堂々とぎゃあぎゃあ騒ぐような性格してない」
亜嵐「何だよ、まるで俺が性格悪いみたいなさあ!笑」
そんなニュアンスになるような
DJがステージを降りても、彼女達は変わらずビートに身を委ねているようだった。
シャツの前を締めないまま、亜嵐は私達の元へ来た。
黒白の半袖シャツに、ワイドタイプのアンクルパンツ。
白い靴下に黒の革靴。
有彩色を跳ね飛ばしたファッションだ。
裕太は、へらっとした笑顔でスタッフと話していた。
その様子を見ると、亜嵐は『へえ?』と顎を
亜嵐「……裕太くんと何か話した?」
A「特に何も」
亜嵐「ふーん?」
『何かすっきりした顔してるように見えるんだけどなあ』と意味ありげな顔を浮かべる亜嵐。
ステージの感想を訊かれ、私は素直に答えた。
迫力に気圧されそうだったと。
音に魅了されたと。
亜嵐が "RODEO" のようだったと。
彼は私の感想を聞くと、わざとらしく驚いてみせた。
亜嵐「Aって、そんな風にモノを言うんだね。
俺驚いちゃったよ」
A「……訊かれたから、答えただけ」
……ここが "非現実世界" だと思ったことは、黙っておいた。
‥
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ピヨコ - はじめまして!!いつも作品を読ませてもらっています。本当にこの作品が面白くて読むのがとても楽しいです!ちなみに私は涼太君オチがいいです。これからも頑張ってください!! (2020年3月11日 21時) (レス) id: eb22d40d8e (このIDを非表示/違反報告)
じゅり - 今までにないストーリーに感動!とても面白いですね(*^ω^*) (2018年2月21日 15時) (レス) id: f641cbabc6 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - 京羽さん» 楽しみにしてます!!このお話読んでたら、BIG SITY RODEOでこんなにも沿っててんで、内容も濃くてほんまに凄いと思っています!!語彙力無くてすみません…これからも頑張って下さい!! (2017年12月12日 12時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
京羽(プロフ) - みのよせさん» 誤字の指摘ありがとうございました! オチについてはめちゃくちゃ悩んでます! 佐野さんの過去も楽しみにしていただけたら嬉しいです! (2017年12月11日 17時) (レス) id: 25532f7237 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - あの、突然すみません!!No.46だけかも知れませんがゆっぴの裕が祐になってます!このお話大好きで楽しみながら読ませてもらってます!!あ、オチは玲於でお願いします。あの可愛いれおたんが喜ぶとこを見たいだけです(笑)←これからも頑張って下さい!! (2017年12月10日 23時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京羽 | 作成日時:2017年10月18日 16時