CROWN No.27 ページ27
‥
スタッフ……いや、 "元" スタッフの男は、私の首に当てた手を離さないまま声のほうを向く。
そのまま上げた顔で男が見た者は。
そして、目を開けているのに暗い視界のままの私の耳に、聞こえてきた声は。
「見たことある顔だね」
「何してん、こんなところで」
ふっと私の首に絡みついた男の手の力が抜けて、勢いよく咳き込む。
真っ黒に塗り潰されていた視界がモザイク状に鮮明になってきて、定まらない焦点を無理に合わせれば、
最初に目にしたのは、青ざめた顔で私達が辿ってきた道の先を見る男。
肺に一気に入ってきた酸素のせいで、過呼吸になる。
それでも何とか治まって、男の向く方向に顔を見やれば、そこにいたのは。
A「……はや、……ゆ、た……」
隼「ねえAちゃん、俺言ったよね?
『知らない人にはついて行かないで』ってさ」
裕太「俺が見逃してれば、今頃死んどったんちゃうん」
にこにこと、いつもと変わらない隼。
若干口角を上げるも、クールな表情の裕太。
隼の服装はさっき見たけど、裕太は、何故半袖なのか。
男はしばらく呆然としていたが、はっとして私の髪を掴んで引っ張る。
男の股の下で、私は痛みに体をよじらせる。
男「これはこれはお久しぶりですね、隼様、裕太様」
裕太「誰やったっけ」
男「今までずっと傍でお仕えしてきたじゃありませんか。
長く共にこのパーティーを盛り上げてきたと言うのに、あまりにひどいのではありませんか?」
隼「売上持ち逃げしたじゃん、お前。
忘れたいよなあ、どっちかと言えばさ」
男「そんな、私は潔白ですよ。
でも、貴方がたは聞き入れてくださらなかった」
隼「お前がやったからね」
男「そう言って、私をここから追い出した……
私は、貴方がたの
男の額に立つ青筋と共に、私の髪を引く力も強くなる。
男の片手がまた私の首に絡みついて。
私は抵抗するも、さっきより断然自分の力は弱くて。
……今首を絞められたら、私は完全に死ぬんだろう。
隼「その子が誰か解ってて、今首絞めようとしてんの?」
男「もちろんですよ隼様。
無実の罪で追い出された私を、貴方がたに会わせる
裕太「俺らとコンタクト取ろうとしたわけか、要するに」
男「ええ、そう言うことになりますね」
‥
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ピヨコ - はじめまして!!いつも作品を読ませてもらっています。本当にこの作品が面白くて読むのがとても楽しいです!ちなみに私は涼太君オチがいいです。これからも頑張ってください!! (2020年3月11日 21時) (レス) id: eb22d40d8e (このIDを非表示/違反報告)
じゅり - 今までにないストーリーに感動!とても面白いですね(*^ω^*) (2018年2月21日 15時) (レス) id: f641cbabc6 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - 京羽さん» 楽しみにしてます!!このお話読んでたら、BIG SITY RODEOでこんなにも沿っててんで、内容も濃くてほんまに凄いと思っています!!語彙力無くてすみません…これからも頑張って下さい!! (2017年12月12日 12時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
京羽(プロフ) - みのよせさん» 誤字の指摘ありがとうございました! オチについてはめちゃくちゃ悩んでます! 佐野さんの過去も楽しみにしていただけたら嬉しいです! (2017年12月11日 17時) (レス) id: 25532f7237 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - あの、突然すみません!!No.46だけかも知れませんがゆっぴの裕が祐になってます!このお話大好きで楽しみながら読ませてもらってます!!あ、オチは玲於でお願いします。あの可愛いれおたんが喜ぶとこを見たいだけです(笑)←これからも頑張って下さい!! (2017年12月10日 23時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京羽 | 作成日時:2017年10月18日 16時