CROWN No.24 ページ24
‥
「手、離してくれるよね?」
男の腕をがっちりと掴んで、私の
男が彼に気を取られている間に、私はさっとすり抜けて、彼の後ろに回る。
青年「お、お前…… "GENERATIONS" の……」
隼「隼だけど?」
自己紹介をして、にっこりとゆっくり微笑む隼。
さっきとは違う、白い線で細かい模様の入った黒地の服。
モノクロでキメているのか、パンツも靴も黒で、ちらりと見えた靴下は白だ。
月形のピアスが耳で揺れている。
長く垂らした白ベルトはアクセント。
男の腕はふたりの顔の位置まで持ち上げられている。
男は必死で降ろそうとしているようだけど、隼に力で敵っていない。
不思議だ、明らかに男のほうが勝りそうなのに。
そのうち男が根負けして力んでいた全身を
勢い余った男の腕は壁に激突して、鈍い音が立つ。
青年「っくそ……」
隼「ゆっくり楽しんでくださいねー♪」
悔しそうにフロアを出ていく男。
見えなくなるまでふたりで背中を見送った後、『おおっと』と声を上げる隼。
突然のことにびっくりして、隼の顔を見上げると。
隼「途中だった!」
と、トランプを5枚、ポケットから取り出した。
見た感じ、ポーカーをしているようだけど。
『SB(強制参加のターンとなる席に座っているプレイヤー)だから戻らないとなあ』とぼやく。
A「助けてくれてありがとう……」
隼「……いいえっ、どういたしまして!」
笑った時に上がる頬は綺麗に膨らんで、可愛らしさを助長する。
そして、『知らない人にはついていかないでね!』と、私の両肩をホールドして言った。
ポーカー席に戻っていった隼。
目で追っていくと、私がさっきメンバーを探していた位置からさほど離れてない。
あんなに近かったのか。
グラスはどこ行ったのやら。
スタッフをひとり捕まえて、『ノンアルコールカクテルをひとつ』と、グラスを新しく持ってきてもらった。
甘めで、とお願いしたところ、ほどよい濃度のカクテルが来たからびっくりした。
ひと口カクテルグラスを傾けて、周りを警戒しながらフロアをうろうろしていると、
「失礼いたします」
またか、と振り向けば、
そこにいたのは、ひとりの男。
胸ポケットから白いハンカチが覗く。
服装からして、スタッフだ。
‥
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ピヨコ - はじめまして!!いつも作品を読ませてもらっています。本当にこの作品が面白くて読むのがとても楽しいです!ちなみに私は涼太君オチがいいです。これからも頑張ってください!! (2020年3月11日 21時) (レス) id: eb22d40d8e (このIDを非表示/違反報告)
じゅり - 今までにないストーリーに感動!とても面白いですね(*^ω^*) (2018年2月21日 15時) (レス) id: f641cbabc6 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - 京羽さん» 楽しみにしてます!!このお話読んでたら、BIG SITY RODEOでこんなにも沿っててんで、内容も濃くてほんまに凄いと思っています!!語彙力無くてすみません…これからも頑張って下さい!! (2017年12月12日 12時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
京羽(プロフ) - みのよせさん» 誤字の指摘ありがとうございました! オチについてはめちゃくちゃ悩んでます! 佐野さんの過去も楽しみにしていただけたら嬉しいです! (2017年12月11日 17時) (レス) id: 25532f7237 (このIDを非表示/違反報告)
みのよせ(プロフ) - あの、突然すみません!!No.46だけかも知れませんがゆっぴの裕が祐になってます!このお話大好きで楽しみながら読ませてもらってます!!あ、オチは玲於でお願いします。あの可愛いれおたんが喜ぶとこを見たいだけです(笑)←これからも頑張って下さい!! (2017年12月10日 23時) (レス) id: c92c0a9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京羽 | 作成日時:2017年10月18日 16時