【BIG CITY RODEO / GENERATIONS】 CROWN

CROWN No.19 ページ19

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『俺が呼んだら、こっちから出てきて直角に歩いてきて。で、龍友くんと裕太くんの間にこう歩いてきて』
亜嵐に言われた経路を頭に入れて、こくんと頷く。
普通リハーサルとかするんだろうけど、彼らの中にリハは存在しないようだ。



亜嵐が私の傍で、パチンと大きく指を鳴らした。
その瞬間、消える照明。
私も思わずびっくりしたけど、亜嵐にがっちり肩を寄せられてて胸を撫で下ろす。
よく見れば、バックステージであるここには、ところどころライトポイントが取ってあって、不思議と物や人の位置が把握できた。



しん、と静まり返る会場一帯。
ムービングライトや裏にある照明、音響機械の音が静かに稼働しているだけで、他には何も音がない。
真っ暗で、音のない。
サイレントダウンしたフロアに押し込められた招待客は、不思議と次に何が起きるか知っているようで。



何も見えない中、『少しの間だけ待っててね』と私の手から、肩から、彼らが離れていく。
気丈に返事はしなかったけど、それでもどこか心寂しさが残る。



するりと手と手が離れた数秒後、暗闇の中で細く鋭く、甲高くフロアに響いたのは、



"あの口笛"









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『『Big city rodeo, rodeo, rodeo, ……』』









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イヤモニとピンマイクを装着した彼らが、ライトアップされたステージの上で踊り出す。
歓声はまだ起きない。
細やかで熱気を含んだ手拍子だけが、轟く。



歌詞込みのイントロが終わって、メロディーが一気にヒートアップすると。









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「「わあああっっっ！！！」」









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歌詞通り "フロアごと揺らす" 勢いのパーティーが始まる。



今宵の "BIG CITY RODEO"
ひとり残らず酔ってしまうような、盛り上がりよう。
私にとっては、充分燃えていて、倒れそうな空間なのに。



彼らは、









龍友『タ リ ナ イ、マ ダ タ リ ナ イ……』









狂った客を頂点のその先まで、煽(あお)っていく……




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