【BIG CITY RODEO / GENERATIONS】 CROWN

CROWN No.2 ページ2

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襟つきのツナギは淡い白色。
胸辺りまでのチャックは、ちゃんと首まで閉める。
前に回した手の腕では、硬い金属がジャラジャラと音を立てる。



冷たく無機質な廊下を、裸足で歩く。
隣の刑務官は、こんなに寒いと言うのに心遣いがない。
少し青白い私を見ても、ふいと顔を逸らす。



刑務官と共に通り過ぎれば、左右から声が聞こえる。
呻き声、罵声、冷やかしの声。
それは刑務官に対するものなのか、それとも新入りの私に対するものなのか。



……牢獄の奥の闇から、7つの瞳が私の横顔を捉えたことには、誰も気づかない。









刑務官「囚人 "1121" 。今日からここが、貴様の部屋だ」









ギイと重たい音を響かせて、扉が開く。
私がそこに押し込まれれば、乱暴に鍵がかけられる。
……手錠は、外された。









「……ふう」









小さく、溜め息をついた。
置いてあった布団の傍に、小さく体操座りをする。
薄暗い独房は、暖房もなく寒い。



もう夜だと言うことで、本格的な生活は明日から。
ああ、どうして私は監獄に入ってしまったのだろう？









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.









翌日。
朝5時に起床し、1日が始まる。
新入りである囚人 "1121" ──私を、誰もが振り返り、まじまじと見た。



銀髪、刈り上げ、編み込み。
服装は至って普通なのに、元の容姿が派手。
無口で大人しそうなのに、凶暴なイメージも兼ねる。



ことが起きたのは、昼食の時間だった。
珍しいことに、男女が交じるこの監獄。
昼食は、枠はあっても同じフロアで食事をしていた。



私は、プレートに皿を置いて、自分の席を探した。
だが、どこも塞がれていて自分のスペースを取ることができない。



いや、実際は空いているのだけど、彼女達が塞ぐから別の場所を探すしかない。
……いわゆる、典型的な新入りいじめ。









「……あっ」


囚人「うわっ！ ねえちょっとー。零れたんですけど」









席を見つけようと迷ってるうちに、後ろから来た囚人とぶつかってしまった。
プレートは落とさなかったものの、その上で揺れたスープが零れる。









「……」


囚人「ねえ、謝りなさいよ！」









ごめんなさい、と小さく呟くと、囚人はいきなりコップを引っかけた。
ポタポタと、私の髪からお茶が滴る。





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