【JO1】伝えられるなら

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翔「どうしたの？」

「後でね」

翔「うぃ」.


あっという間に始業開始のベルがなる。

一斉にカタカタとタイピング音と
社内電話と人を呼ぶ声が飛び交う。


「木全くん！」

翔「はい」

「これ、情報システム課に
行って確認してもらってきて」

翔「わかりました」


デスクに戻ってジャケットを取ると


「どこ行くの？」

翔「情報システム」

「あ、そうなんだ…」

翔「何かあった？」

「ううん、いってらっしゃい」

翔「あそこ、遠いんだよね(笑)」

「そうだね(笑)」


総務からしたら対角線上の最上階の一室。
用事が無ければ誰もいかないだろう
っていうのとどんな人が居るかも知らない。


翔「やっとついた」


扉は勝手には開けられない仕様になっていて
インターホンを押すと応答があるので


翔「総務の木全です。
確認してもらいたい書類があります。」

「今行きます」

翔「お疲れ様です。こちらの確認をお願いします」

瑠「ちょっと待ってね」


ガチャって空いた扉から現れたのは
キラキラの笑顔の人。
ネームにはShiroiwa Rukiと書かれていた。

ちょっと待ってねって事は
ここで待ってれば良いのかなと思ってると


蓮「スケジュールはOKでシステムの
更新等の日時も問題ないのでこれでお願いします」

翔「ありがとうございます！」

蓮「なんか初々しいけんね(笑)何年目？」

翔「2年目です！」


にっこりと笑顔が爽やかな彼はKawashiri Ren。


瑠「あれ？総務部の2年目って
今、声かけてる子と同じ？」

蓮「そうやね！奨くんが言ってた子」


どういこと？2年目って俺とAしか居ない。


瑠「やば、呼ばれてる」

翔「失礼します」

蓮「お疲れ様ー」


背中越しでガチャンと重いドアが閉まる。
要は関係者以外立ち入り禁止。

そりゃシステムが集まるから誰でも入れるわけない。

さっきの2人の会話が気になりすぎて
来る時より倍くらい早いんじゃない？って
いう速度で戻ってる俺。


「おかえり」

翔「うん」

「どうしたの？」

翔「後でね」

「うん」


それから俺らは休憩なんかしてられなくて
気付いたらお昼は過ぎていて


翔「A、休憩いける？」

「いや、無理…」

翔「飯買ってくる？」

「翔也だけ行ってきて」

翔「…わかった」


何か朝から顔が怖いAを置いて廊下に出ると


翔「お疲れ様です」

瑠「あっ良いとこにいた！」

翔「どうしました？」

瑠「AAさんって居る？」


いませんって言いたい。


翔「中にいます」

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