【九条天】なぜか天使に好かれました【アイナナ】 (ページ31)

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31：無意識でページ31

「A」

名前を呼ばれて目が覚める。
どうやら知らないうちに寝ていたようだ。
机の前に座ったままの状態なので、雑誌を読んでいるうちに寝てしまったらしい。

「ごめん。ベッド勝手に使って」

珍しく慌てている天が視界に入る。
眠い。いま何時だよ。

「あ、ああ、うん、いいよ。おはよう」

ねぼけた頭で時計を確認すると、深夜２時だった。
ええ・・・こんな時間に起こすか。中途半端だなあ。

「寝るつもりはなかった」
「そう」

反省しているのかな。
天は正座でわたしの隣に座っている。

「Aのにおいがして」
「やめて、生々しいから」

反省なんてしてなかった。うん。

「眠いなら自分の家に帰ればよかったのに」

わたしの家と天の家と、どちらが近かったのかは知らないが、きっと自分の家のほうが落ち着いて眠れると思う。
というか、合鍵がなかったらうちには来なかったよね。

「帰るつもりだったのに、気がついたらここにいた」
「はあ」

やばいんじゃないですか、それ。