【アイナナ】天使vs天使、じゃないの？【九条天】 (ページ8)

今日:29 hit、昨日:15 hit、合計:97,276 hit

07：ナミダページ8

「今日が初めてじゃないよね」

「は、はい」

「もっと早く挨拶に来れたんじゃない」

「そ、そうですね」

「あとボクに謝ることがある」

「ぶつかって、すみませんでした」

「声が小さい。下を見ない。失礼だと思わないの？」

「あ、う・・・」

「何回逃げるつもり？」

「・・・だ、だって・・・っ」

「人の顔を見て嫌そうな顔をした。明らかに逃げたでしょ」

「・・・・・・うっ」

「ほら泣いた」

「天、それぐらいにしてあげようよ」

天の隣で龍之介が困ったように冷や汗をかきながら彼をとりなす。
Aはあふれだした涙を拭うこともできず、その場に立ち尽くすことしかできなかった。

「A、まだ挨拶してなかったんだ」
「行ったとばかり思ってました」

事務所の部屋の隅でユウリと音葉が先輩たちに聞こえないように小声で確認し合う。

アイラビットとしてデビューする前に、一応事務所の先輩に挨拶しに行こう！と思い立った三人だったが、当日Aは体調を崩してしまい、結局ユウリと音葉の二人だけで挨拶に行ったのだ。Aはまた後日挨拶に来ます、と二人が言ったにもかかわらず、Aはそのまま来なかった。