【アイナナ】天使vs天使、じゃないの？？【九条天】 (ページ13)

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52：そばにいてページ13

Aはそのあとしっかりと仕事をこなした。
完璧、とまではいかないものの、天に合わせて笑顔でカメラに向かってポーズをとっていた。写真の確認をしたときも、Aの表情が驚くほど明るくなっていて天は少し焦ったぐらいだ。撮影が終わって解放されたときには、もうお昼だった。

「食べられそう？」

姉鷺が二人分のお弁当を用意してくれたので、小さな部屋で二人並んでお昼を食べる。仕事が終わった途端、Aはすっかり元の状態に戻っていた。無理やり笑わせてしまったので、なんとなく申し訳ない気持ちになる。

「はい」

Aがゆっくり食べ始めたのを見届けて天も箸をとった。
食欲はあるようだ。なんだか母親になった気分である。

Aは寂しいのかもしれない。誰かが傍にいないと不安なのだ。

だったら傍にいてあげたいと思った。そうしないといまにも折れてしまいそうだから。
ユウリが言っていたことを思い出す。いまならあの言葉の意味がわかるかもしれない。

天はAが一つ一つ口に運ぶのを隣でずっと見守っていた。

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