75:だれがおうじさま? ページ28
「嫌いなら一緒にいないだろ」
「・・・Aもがっくーのことすき」
いつものケーキ大好き幼稚園児とは違う、真剣な瞳に見つめられて少しどきっとした。
俺だって、おまえのこと、
「ゴーンゴーン、12時の鐘が鳴ったのでAは意地悪な継母のところに帰ってきてください」
「あ! かえらなきゃ!」
どこからか降ってきたアナウンス(継母)に、Aが俺の手をぱっと放して走り去ろうとする。
なんだよ!いまちょっといいところだっただろ!
「おい、A!」
咄嗟にAの腕を掴むと、Aは振り返って困った顔をする。
「ごめんね、がっくー! Aはまほうがきえちゃうからもうかえらないと!」
迫真の演技だった。
おまえが俺に魔法をかけたんだろ、さっき!
「王子様はそんなにガツガツ食いつかないでしょう。ガラスの靴ならちゃんとあげるから、さっさとうちのAの手を離してくれる?」
天が俺とAの間に割って入る。
「なんで継母が迎えに来てんだよ!」
「王子様が狼に変身したら困るからね」
継母だって狼に変身しそうな勢いだけどな。
「Aどうすればいいの?」
「カボチャの馬車に乗って帰ろうか。おいで、Aちゃん」
「まほうつかいさんだ!」
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作者名:兎田夏 | 作成日時:2017年3月29日 21時