【TRIGGER】俺の従妹（５歳）が人気者【アイナナ】 (ページ44)

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44：ぎゅってしてページ44

「だって、ママはね」

Aはなにかを言いかけてそこで止めた。

「A、ほんとはママについていきたかったけど、いかなかったの」

「どうして」

「ひみつ」

ボクにも教えてくれないようだ。
一体なにがあったんだろう。
5歳の女の子が、甘えたいのを我慢してまで、一人で留守番することを選ぶなんて。

「がっくーにはおねがいできないけど、てんはぎゅってしてくれる？」

断る理由がないよね。

「いいよ、おいで」

手を広げると、Aが静かに飛び込んできた。
受け止めてあげて、お望み通りぎゅっと抱きしめてあげる。
お母さんの代わりにはなってあげられないだろうけど、寂しさを和らげることはできるかな。

「楽にも言ってみたら？案外してくれそうだけど」

むしろAが甘えてくるのを待ってるんじゃない？

「がっくー、こまっちゃうから」

Aは首を振った。

「ボクでよければいつでもぎゅってしてあげる」

でも、Aが寂しいと思ったとき、そばにいる確率が一番高いのは楽なんだよ。