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43：がまん ページ43
「はい、できた」
「うわー！ ありがとう！」
耳の上で二つに結ってあげた髪を、Aは嬉しそうに触っている。
小さいけどやっぱり女の子だ。
「かわいい？？」
「かわいいよ」
このままうちに来る？
なんてね。
「・・・てん、がっくーにひみつでおねがいがあるの」
「どうしたの？」
急にAが真剣な表情でそんなことを言ってきた。
相当言いにくいことなのか、それからしばらく次の言葉を口にしない。
「・・・ぎゅってして」
しばらく待ってAの口からでた言葉に、ボクの動きが止まる。
「ママのこと、がっくーのまえではいえないけど、A、たまにママにあいたくなる」
「寂しいの？」
Aは唇をぎゅっと噛みしめて、小さくうなずいた。
そっか、ずっと我慢してたんだ。
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作者名：兎田夏
| 作成日時：2017年2月26日 21時
