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23：ぜんぶ！ ページ23
従妹だと説明すると納得したようだった。
「いちごのもたべたいし、ちょこのもたべたいし、これ！ まるいのもたべる！」
「二つにしとけよ。どうせ残すだろ」
この様子だと決まるのに時間がかかりそうだ。
「じゃあね、やっぱりいちごのとー」
「一織、大丈夫か？」
「なんでもないです、兄さん。気にしないでください」
ショーケースの向こう側で和泉兄弟がなにやら話している。
弟もいたのか。体調が悪いのか顔を押さえて俯いている。
「きまった！」
やっとAがケーキを決めたので、注文して会計を済ませる。
和泉から小さい箱を受け取ったAは嬉しそうだった。
「今日はひな祭りだもんなー」
「うん、A、おひなちゃんないけどがっくーとてんとりゅうがいるからいいの！」
まだ根に持ってるし。
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作者名：兎田夏
| 作成日時：2017年2月26日 21時
