ナイトレイブンの女王様

尾行 ページ14

『監督生くん、失礼するわよー』

｢女王様！？｣

『そんなに驚くことかしら？あら、ジャックくんもいたのね』

｢どうも｣

｢す、すみません。何か御用ですか？｣

『えぇ、貴方たち今アズールのことで苦戦しているのでしょう？だから、手伝いに来たのよ』

｢ありがとうございます！全く何も思いつかなくて…｣

アズール、かなり厄介ね…私の魔法でどうにかならないことも無いのだけれど、学園長に｢強力な魔法は使わないように｣と釘を刺されてしまっているから…

『まぁ、あまり強い魔法は使えないから、そこまで頼りにはならないかもしれないけれど』

｢いえ、1人増えただけでも、とても心強いので！！｣

『良かったわ。それで、今のところ何か考えはあるの？』

｢とりあえず何も無いので今からジャックと尾行しに行こうかと…｣

『そうだったのね。なら私もついて行くわ。
気配を完全に無くすことはしないけど、少し薄めるくらいなら今の私にもできるわ』

｢ありがとうございます！｣




『知ってはいたけれど…』

｢アズールの奴、完全無欠の優等生って感じだな｣

全ては努力の賜物なのだろうけど…

｢ふなぁ〜〜、早速アズールの奴にこき使われてヘトヘトなんだゾ〜｣

｢掃除に給仕、使いっ走りまでさせやがって｣

｢僕なんか、朝6時に呼び出されたぞ。｣

『あら、それはあなたたちが悪いのじゃない。知らなかった、とはいえ楽しようとした罰よ』

｢ローズハート寮長にも怒られましたよ｣

そう言ってデュースがリドルの真似をしてみせる。すごく思い浮かべやすい、きっと怖いわよね…まぁ、悪いのは彼らだから同情はしないけれど

｢フン。女王の言う通り、自業自得だ。｣

｢労働環境、問題だらけだ…｣


｢おや、どうなさったんです。暗い顔をして。｣

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