・ ページ9
｢こちら､煮込みハンバーグです｣
目の前に出てきたのは､小さなココット鍋とバターの香るライス
一人一人の目の前に鍋を配膳した後､鍋つかみで蓋をどんどんと外していく
たちまち湯気と濃厚なビーフシチューの香りが部屋を包み込む
先程まで前菜を食べていたのに腹の虫がぐうっと鳴いた
｢お熱いのでお気を付けてお召し上がりください
お好みで､こちらの生クリームもお使いくださいませ。
では､ごゆっくりどうぞ｣
カラカラとワゴンを引き奥に戻った店員さんを見送ったあと
3人して無言でスプーンを握り､メインのハンバーグへと突き刺した
ジュワッと溢れ出る肉汁が下のビーフシチューに流れ込み
それごと掬いあげて口の中へと運ぶ
熱さにハフハフとしながらお肉を噛むと濃厚な牛の味が口いっぱいに広がる。お肉を感じていると後ろから凄い勢いでビーフシチューの味が追いかけて来て口の中で調和する。野菜の旨味がソースに溶け出ていてそれでいて､ハンバーグの肉汁が更に濃厚さを引き立たせている…。
今回は､パンではなくライスなのかと思いながら手をつければ
バターの風味が鼻を抜ける。ビーフシチューを少し掬い､ライスと一緒に食べればより味わい深い物へと変化していてもう驚く事しか出来ない
｢今日来なかった3人､馬鹿だね｣
｢な。これ食べれないとか可哀想｣
｢ねぇ､そろそろ生クリーム足してみない？｣
半分ほど食べた後に､そう言えば生クリームがあった事を思い出す
一つのソースポットを3人で少しづつ使い分け
どんな変化が来るのかと3人して目を合わせてから食べる
最初口に入れた時は､ん？なにか変化したか？と思ったが
食べ進めていく内に味に深みが出ていることに気づく。
先程食べていたビーフシチューよりまろやかになっている
ふわふわなのに食べ応えのあるハンバーグにまろやかになったビーフシチュー､一緒に煮込んである野菜ですら美味しく
一同､無言のまま綺麗に完食してから感想を述べ合う
｢ほっっんとに美味しかった！最初､量少ないかもって僕思ってたんだけど
全然そんな事無いくらいの満足感なんだけどぉ｣
｢てか､このライスとの相性抜群すぎない？途中で追加頼もうか迷ったは｣
｢ハンバーグもさぁ､食べ応えあったよね！あれ粗挽き混じってんのかな？｣
｢確実に混じってる､混じってなかったら可笑しいあの美味さ｣
わいわいとご飯の感想を言い合っていると
メニューを持った店員さんがこちらに向かってきた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 418人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒猫_Kurone - こんなにも文章で飯テロ表現が出来るんだと読んでいて感動しました！そしてとてもお腹がすく…。 いい作品を作っていただきありがとうございます！これから2周目してきま〜す！次回作も楽しみに待ってます！ (12月15日 18時) (
レス) @page50 id: 3576c9ea34 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - 初めての作品とは思えないほど、とても読みやすく面白いものでした。次回作も楽しみにしております。 (11月18日 15時) (レス) id: 1e4a114837 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 星空保護区さん» 読破頂きありがとうございます！次回作もよろしくお願いします！ (10月19日 21時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
星空保護区 - 完結おめでとうございます！食リポ？とかがすごくて、大変な時にとても助けになりました。新作も読みに行きますね。 (10月19日 17時) (レス) @page50 id: 8dc31b7ba3 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@pc垢さん» 無事完結できました､ありがとうございます！いつも作品拝読させて頂いてます…､そんな方に褒めて頂けてとても嬉しいです…！次回作はだいぶ毛色が違うのですがぜひお付き合い下さい！ (10月19日 7時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ray | 作成日時：2023年8月6日 1時
