深夜食堂へようこそ【WT】

デザート [Nakamu] ページ3

パラりとメニューを開きながら店員さんに話しかける

｢すみません､先程は大きな声を出して…｣

｢ふふっ､大丈夫ですよ。驚きはしましたが…
甘い物がお好きなんですか？｣

｢はい！大好きです！
俺の中でガムシロはスイーツなので！｣

｢ガッ……ガムシロップですか……｣

少し引いたような店員さんに気付かず
オススメってなんですか？と聞くと

｢そうですね……､まだお腹に余裕はありますか？｣

｢甘い物は別腹なのでいくらでも！｣

｢なら､オススメはデザートプレートですね
2種類のプチケーキとアイス､あとフルーツゼリーが盛り合わせになってます｣

｢じゃあ､それでお願いします。ホットのカフェラテもお願いします｣

｢かしこまりました｣

再び後ろに戻って行った後ろ姿を見てから
スマホを取り出す。お店の名前を検索してもヒットせず
本当にひっそりとやっているお店なんだと感じる
既に1時間以上滞在をしているが､他のお客さんが来る様子も無い

暫くここ周辺に住んでいる自分ですら店の存在を知らなかったのだ
この静かな住宅街では仕方ないか､と思いながらも静かな空間が楽しめる
貴重な場所として記憶しておこうと待っていると
珈琲のいい香りと共に店員さんがこちらにやってくる

｢お待たせいたしました､デザートプレートです｣

｢ありがとうございます
因みに､このお店っていつがお休みなんですか？｣

｢基本的には日曜日が定休日です
たまに他の日もお休みがあったりしますが､その時は外の看板に
お知らせしてる事が多いですね｣

｢なるほど､あの…失礼ですけど人って結構来るんですか？｣

｢ふふっ､そう思いますよね
こんな深夜にやってる店珍しいですし､大丈夫ですよ
……そうですね､繁盛とは言えませんが意外と来て頂ける方は多いです
広告とかSNSは疎くてやってないのですが､来店して頂いた方が知り合いの方を連れてこられてそれでって感じですね｣

｢あー､なんかそのお客さんの気持ちわかります
ご飯美味しいし､夜中に温かいもの食べれるし俺みたいな人種には
すごく有難いですもん。実際､今凄い友達に教えたいし｣

｢ありがとうございます
是非､当店の宣伝お願いします｣

くすくすと談笑しながら､目の前で珈琲と牛乳を一緒に入れ
カフェラテを手早く作ってくれている。
見た事のないオシャレなお砂糖を添えてテーブルへと持ってきてくれた

｢カフェラテです。アイスが溶けてしまう前にデザートもどうぞ｣

さて､甘いものだ！

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