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第4話 ページ6




Aside


宗次郎と僕の手合わせが終わって空いている部屋に案内される予定だったのだが、空いている部屋が埋まってしまっていた。

「僕の部屋にどうぞ!」と言う事で僕は宗次郎と同室になった。


頭や身体の汚れを洗って、新しい白い着物に着替えを済ませたのだが僕は今______


同室となった宗次郎により、
布団の上で押し倒されて顔が近い体勢になっていた。


宗次郎「Aさん………。
Aさんにはご兄弟は居ますか?」


A『………僕の兄弟ですか?
………歳の離れた弟がいます。』


顔が近い宗次郎の質問に、
名前以外で唯一覚えている弟の事を僕は言った。


断片的な一部の記憶の中で____
抱きついて“構って!”とねだる弟を僕が大事そうにしている場面があった。


考え事をしていると何故か身体が暖かいなと思っていたら、僕は宗次郎に抱きしめられていた。

次第に抱きしめる力が弱まり、顔を上げた宗次郎が涙を堪えながら僕を見た。


宗次郎「やはり………そうだったんだね。
待っていました。
おかえりなさい………A兄様!」


そう言ってまた僕を優しく抱きしめた。
初めて呼ばれた言い方の筈が何故か懐かしく、心が穏やかになった宗次郎の声。

記憶の中で正確に残っている弟の声と一致して、宗次郎が僕の弟だと分かった。


胸の中で泣いている宗次郎を宥める為、取り敢えず僕は宗次郎の頭を優しく右手で撫でた。


A『………泣かないで下さい。
宗次郎に泣かれると何故か僕が困ります。』


涙を流して目が赤くなった宗次郎が、
顔を上げて僕の目をしっかりと見た。


宗次郎「A兄様!
もう僕を一人置いて何処にも行かないで下さい。
今度は僕がA兄様を守ります。」


そう言った宗次郎の目は、とても真剣で覚悟が宿っていた。 宗次郎には僕が大事だと分かった。


A『宗次郎………僕には他の記憶が無い。
失くした記憶を僕は探したい。
手伝ってくれるかな?』


そう言うと宗次郎は一瞬唖然としたが、書生風の着物の袖で涙を拭いた。


宗次郎「分かりました、A兄様。
僕も全力で手伝いします!」


僕の両手を握りながら、
宗次郎は目を輝かせながら言葉を発した。

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アミィ - 面白かったです!この主人公が剣心と戦う時が楽しみです! (2022年9月3日 23時) (レス) @page10 id: b726ad44ae (このIDを非表示/違反報告)
幽鬼(プロフ) - 月夜さん» コメントありがとうございます。温かいお言葉ありがたいです。内容を捻っているので待っていてくれると嬉しいです。 (2020年7月26日 19時) (レス) id: 5bf343423d (このIDを非表示/違反報告)
幽鬼(プロフ) - 由亜さん» 返事が遅くなってしまいすみませんでした。無い頭を捻っていますので待っていてくれると嬉しいです。 (2020年7月26日 19時) (レス) id: 5bf343423d (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 比古さん好きなので続き書いてくれたらうれしいです。 応援してます! (2020年7月26日 10時) (レス) id: 14a3468a81 (このIDを非表示/違反報告)
由亜(プロフ) - めっちゃめちゃ面白いですね!チート主人公も宗次郎も好きなので嬉しいです!是非、続きを書いて欲しいです! (2020年5月29日 22時) (レス) id: 649b5b4eec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十騎 幽鬼 | 作者ホームページ:   
作成日時:2015年6月10日 11時

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