窃野の過去with綺赤�� ページ16
雄英体育祭が終わって三日経った。
奥様は雨が降る空を見ていた。
『窃野と出会ったのも、こんな日だったわね』
何かを思い出したかのように呟く奥様。
俺なんかとの出会いを、この人は懐かしく思ってくれる。
それだけで俺は嬉しい。
窃野｢あれは５年間程前の話ですね…｣
✄--ｷ ﾘ ﾄ ﾘ --✄
５年前の、ある、雨が降りジメジメした日。
俺はまた、借金取りから逃げていた。
疲れ果て、路地裏に座り込む。
水が欲しい。疲れた。今水を飲まねば死んでしまうだろう。
丁度水たまりがあったので、いつも通り、そこに口をつけ水を飲もうとする。
その瞬間、誰かが声を掛けてきた。
『こんな水飲んだら、病気になるよ？』
そう言って俺に傘を差し、水筒を差し出してきた。
それは、小学生と言うにはあまりにも無邪気さを失くしていて、中学生と言うにはあまりにも精神年齢が高く、高校生と言うにはあまりにも若い少女だった。
窃野｢…誰だ｣
『綺赤A。11歳』
11歳！？幼いぞ！？
こんな少女がこんな路地裏を歩いていて大丈夫なのか…。
いや、それよりも。
この女、何か企んでいるかもしれない。
俺はもう嫌だった。
信じていた人間に裏切られ、今のように毎日借金取りに追われ、３日間食事が無いのは当たり前、世間からはゴミのような目で見られ、かと言って自ら命を捨てようとするとヒーローに止められる。
今までも、この女のような人間は居たが、そいつらは自分の名誉のためとかで手を差し伸べていたに過ぎないからもちろん俺は無視をした。
…この女について行ったところで同じなはずだ。
俺はもう騙されないからな。
そう思っていたら、彼女は衝撃の一言を発した。
『あなた、ゴミみたいな扱いされてますね』
彼女の目は見えなかったが、俺には同情しているだろう、と思ってしまった。
だから彼女に怒鳴り散らしてしまったんだ。
窃野｢っうるさい！お前に何が分かる！
将来を誓った恋人に裏切られ…
しかもそいつに有り金を殆ど取られ……
そいつの浮気相手がクソ強ぇ奴で…
そいつの借金の保証人が俺にされていて…
毎日毎日、借金取りに追われ！！
世間にはゴミみたいに見られ！！
メシなんか食えねぇで！！
雨水やら泥水や啜って生きるしか無くて！！
それで…人生やめようと思ったらヒーローに止められるんだぞ！！！
お前に………お前に何が分かるというんだ！！｣
それを言うと、大抵の人間は俺に引いて逃げるが
彼女は違った
『私に似てる』
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マリイ - 治崎廻大好き (2022年3月20日 12時) (携帯から) (
レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 更新がんばれ！ (2018年11月28日 18時) (レス) id: 21ac21fda6 (このIDを非表示/違反報告)
www(プロフ) - こんにちは！！いつも楽しく読ませてもらってます！！更新楽しみにしてます！！これからも頑張ってください！！ (2018年11月4日 16時) (レス) id: 6d34067813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RUNA | 作成日時：2018年4月5日 15時
