胡散臭い女復讐執行人の話。3［完］【ツイステ】 (ページ32)

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主人公とは程遠いページ32

ヴィルの夢も真っ暗だ。そりゃそうか。悪夢だもんね。

『ダッド！聞いて。オーディションに受かったの。今度は学園もののミュージカルドラマ！』

『おめでとう、ヴィル！今度はどんな役なんだ？』

『もちろん主人公......の、ライバル役だよ。“いつもどおり”意地悪な悪役』

『世界一可愛い男の子を悪役に抜擢するだなんて、監督は抜群にセンスがあるな』

たしかに悪役は大事だ。いなければ物語が進まないし、インパクトがない。

『前回出た舞台も、主人公をいじめる役だった。なんで悪役ばっかりに選ばれるのかな。僕、そんなに意地悪そうに見える？』

「.....いいえ、そう見えないわ」

『まさか。でも、ヴィルは特別美しくて、素敵な男の子だからかもしれないね。悪役(ヴィラン)は物語をドラマティックに彩るために、なくてはならない特別な存在。ときに主役よりこだわってキャスティングされることもある。だから、胸を張って演じなさい』

『うん。わかってる、ダッド』

『あ、見ろよあいつ！昨日のＴＶドラマで主人公をいじめてたヤツだ』

『よくあんな意地悪できるよな。性格悪すぎるだろ』

『近くで見るとなよなよしてて弱っちそう。オレたちで主人公の仇をとってやろうぜ』

子供の考えが幼稚なのは分かってはいるが流石にこれはなぁ.....