裏被り35 ページ40
それから早くも第一セットが終わった。結果は向こうが制した。まぁ私達はこっからだけど。
『.....ふぅ。』
私から始まる第二セット。狙うはさっき男と言ったあの身長高いやつ。見るからに初心者でレシーブもままならないやつに打つのは気がひけるが.....仕方ない。
『40%.....』
ドン!
⁇「ちょ....ズルいですよ!」
⁇「ズルくねぇよ!お前が下手だからだろ!」
⁇「思ったより性格悪いねぇ....」
なんとでも言え。さてさて早めに点取って空気を味方につけなきゃ。
『ッハ!』
⁇「研磨!」
やっぱあのリベロはあげるか。
乙「A!」
私を囮に使うのか。囮は割りに合わないんだけど.....
『わかった!』
飛ぶよ。あんたが司令塔だ。
⁇「せー....!?」
西「こっちだわ!バーカ!」
ドォン!
『乙音、ナイス。』
乙「!ありがと。」
私と乙音はハイタッチをした。これが合図だ。相手にはただのハイタッチにしか見えない。
新「乙音!」
⁇「あのリベロすげぇ....」
新川先輩は男子のサーブも軽々上げる。流石ユース候補だ。
乙「A!」
『分かってる。』
いつもの通りに飛んでくから。
⁇「さっきより上かよ!」
ドォォン!
惑わすためだよ。見事に動いてくれてありがとう、音駒の皆さん。
『まだまだあるから楽しみにしていてください。』
⁇「楽しみどころか恐怖しかないんだけどなぁ....」
私にはまだまだ武器がある。すぐ見せてあげる。
『せーの!』
.....いただき。
ドン!
西「.....まさか本当に出来るなんて.....」
新「恐ろしいね。でも頼もしい。」
乙「何今の!?」
他で試合をやってる人達も審判をしてる人達も監督達もみんな見てる。あれってそんなにすごいんだなぁ.....手ェ痛ぇな。
⁇「あんなのアリかよ....」
私がしたのは相手が打ったスパイクをブロックと同時にクロスでスパイク返しをした。これは中学時代、蘭が防いだ近距離レシーブを置き換えたもの。かなりめんどくさいし、痛い。だが向こうの空気を乱すのに十分だ。
『.....よし。』
ピー!
結果は私達の勝ち。実はあの後もう一段階打点を上げてブロックに捕まらないようにした。西園寺先輩も新川先輩も色々と試していて、かなり本気なんだと思った。
それからローテで他の学校ともやり1日目が終わった。
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RUNA RUNA(プロフ) - りょくちゃさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて本当に嬉しいです!更新は遅くなると思いますがこれからもよろしくお願いします! (2021年7月13日 18時) (レス) id: 38bfe4d026 (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 好きな作品×好きな作品なのですごく楽しいです。RUNARUNAさんの表現の仕方も大好きなのでめっちゃおもしろいです! (2021年7月13日 16時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RUNA RUNA | 作成日時:2021年6月11日 23時