忘れられない人 (ページ19)

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１８．ページ19

それから何日かしての休日
ジミンさんから連絡が来た

指定されたのは、

『ジミンさんにしては珍しく賑やかな場所を指定してきましたね』

「久しぶりに来たくなったんだ」

『Aさんとの思い出の場所ですか？』

「そう、だね」

『ま、入りましょう』

カフェだった

女性客が多い

「よくここに連れてこられたんだ、チャイティーが美味しい美味しいって毎回同じの頼んでさ」

懐かしそうに話す彼の表情は

前のような正気のない顔はしてなかった

目は光を取り戻してる

『、これからは？Aさんの為に幸せになりますか？』

「うん、彼女を想いながら生きるよ」

『、そうですか』

「ありがとう、改めてお礼を言わせてほしい」

『いえ、』

「そうだ、Aに何があったのか聞きたいって言ってたよね」

『あ、そのことなら。もういいです』

「えっ？」

『わざわざ辛いことを話さなくても、私も意地が悪いことを言いました。すみません』

「…ありがとう」

にっこり微笑むジミンさん

愛って凄いな

人をここまで動かせる

『実はお話しできなかったことがありまして、付いて来てもらってもいいですか？』

着いたところは

「ここって」

『私とお姉さんが出会った場所です』

◯◯病院

お姉さんと出会った場所

私達は病院内にある庭のベンチに座った

『もともと体が弱くて、でも頼れる人もいなくてそんな時出会ったのがAさんでした』

真剣に聞いているのか、黙ったまま

私はそのまま話を続けた

『命も残りわずかで生きる希望の捨ててた、でもその希望をくれたのはお姉さん。自分がもうダメだと分かった上で私に…これをくれました』

私は胸に手を当てた

「…心臓」

『そう…お姉さんは私に人生を託してくれた』

『そして生きる意味をくれました、それがあなたに会ってあの手紙を渡すことだった』

「…」

『私は、私は』

「泣かないで」

。えっ？

気がついたら泣いていた

泣いたのは何年振りだろうか

「…僕らの為にありがとう」

そして抱きしめられた

『ううえええん(涙)』

子供かよと自分で突っ込みたくなるような泣き方をしてしまった

それでもジミンさんは優しく頭を撫でててくれた

泣き止むまで…ずっと