玖話:見廻りと団子と隊長と。 ページ11
・*・*・
『っ…!?うみゃああああ!!?』
背後から音も無く現れた新門大隊長に、私は驚いて悲鳴をあげた。
「なんだ。人を妖怪みたいに…」
すると、目の前の障子がスパーンと開いた。
「あー!Aだぞヒカ!!」
「やっと起きてきやがったか!!」
勢い良く開いた障子からひょっこりと顔を出したのは、1番年少の双子のヒカちゃんとヒナちゃんだ。
こう見えてこの子達も第7消防隊の隊員。
多分、私より強いかも…
幼い容姿をしていますが、新門大隊長の影響か口が物凄く悪い。そう物凄く…(遠い目)←
「Aが寝坊とは、こりゃ3日間ネタに出来るぜ!」
「ちげえぞヒナ!1週間はネタに出来るぜ!」
「「うっしっし〜!!」」
『……。;;』
いたずらっ子な笑みをお互い浮かべて、私の周りを
ぐるぐる回る。
というか、小さい子のネタにされる私って一体…。(遠い目)←
『ネタになんかしなくていいから!!;;』
「やーだねー!!」
「Aが寝坊なんてこと滅多にねーんだぞ!」
「というか、紺炉の作った飯じゃ物足りねえ!」
「Aの作った飯の方がいい!!」
「悪かったな。物足りなくて」
ヒカちゃんとヒナちゃんは文句を言いながら腕をぶんぶん振り回して私の腰元をベシベシ叩く。
そこに後ろから紺炉さんが、文句を言うヒカちゃんとヒナちゃんの首根っこを掴んで止めた。
「おい離せ紺炉ー!」
「文句なら受け付けてねーぞ!」
「はいはい。んで?生真面目なお前が寝坊とは珍しいねぇ、A?」
『うぐっ…ご、ごめんなさい…。;;』
私は紺炉さんの言葉に身を縮ませると、ヒカヒナちゃんの首根っこを掴んでいた両手をぱっと離し、私より何倍も大きい手の平を頭に乗せた。
「そんな気に病むなよ。」
それだけ言うと、紺炉さんは特に他には何も言わずに台所の方へ戻って行った。
「…。」
ーーーーーーー
『えっと…行ってきます!』
「おう。行ってらっしゃい」
「A!団子200本買ってこいよ!!」
「ヒカ達の相手しなかったんだから買ってこなかったらはっ倒すからな!!」
『うん。お団子たくさん買ってくるね。』
紺炉さんの後ろからひょっこっと顔を出して頬を拗ねたように膨らませるヒカヒナちゃん。
私はヒカヒナちゃんの目線に合わせて屈んでニコッと笑うとヒカちゃんとヒナちゃんが抱きついてきた。
こういう所は可愛いんだよなぁ〜…
私は屯所の引き戸を閉め、肩に下げた鞄の紐をぎゅっと握りしめた。
「おい。早く行くぞ」
『はいっ!!………
……え?;;』
いや語彙力ゥゥ…!!(泣)
拾話:紅丸さんはそれでも心配なようで。→←捌話:大事な日に限って寝坊しやすいですよね。(語りかけスタイル)
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環 - 笑ったりキュンキュンしたりでとても楽しい作品ですね…!作者様のこと、大好きです!((は ずっと応援してます!一生!しんでも!紅丸と作者様大好きですぅぅぅ紅丸グッズ欲しいぃぃ((殴殴 (2020年7月12日 22時) (レス) id: d54dba2782 (このIDを非表示/違反報告)
みだり - イルカさん» それな (2020年2月7日 23時) (レス) id: 2ec1bda221 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - 下の名前で呼ぶ話、大好きなんですよ!ぐわってなってぎゅんってなります!Twitterやってないのでフォロー出来ないのですが小説だけで、応援、頑張ります!あぁぁ!今日も推しが尊い! (2020年2月1日 19時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
(名前)乙女(プロフ) - カリスから乙女になりました。乙女です、やっぱ紅ちゃんになると日本っぽい名前が良いなと思い変えました(汗)Twitterフォローさせて頂きました!応援しています! (2020年2月1日 17時) (レス) id: 5783622537 (このIDを非表示/違反報告)
おれお(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました!!これからも応援しています(*^^*) (2020年2月1日 16時) (レス) id: b49044ef37 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年1月22日 0時