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「じゃあ、私はこの辺りで」

「うん」

駅前で、五条悟に挨拶する。

五条悟は高専に戻るらしい。

東京校の生徒達は、五条悟の神出鬼没さに困惑しているだろう。


「ねぇ、蛍」

「何ですか?」

「今度、2人で出掛けない?」

五条悟は、いつも通りの笑顔、しかし、どこか真剣な声で言った。

その声は、五条悟が学生時代のものに近かった。

一体どういうつもりなのか。

頭をまわす。

五条悟の行動に、理論性を求め過ぎてはいけないが、理屈が全くない人間でもない。

私に任務を頼むつもりなのか。

はたまた別の用事か。

「………なんか、色々考えてるっぽいけど」

少し不満そうな声。

「今日一緒に食事したじゃありませんか」

「そうじゃなくて。僕はもっとゆっくり話したい。誕生日のときみたいに」

「…………」

本心か。

それとも裏があるのか。

「場所は、どこですか?」

「それはまた後々」

「………分かりました」

「おっ、やった〜」

真意を知るためには、話に乗らないといけない。

「では、私はこれで」

背を向けて、改札を通り抜けようとしたとき、


「蛍」


振り返ると、柔らかい笑みを浮かべる五条悟。


「何かあったら、いつでも相談してね」


じゃあね、と言って、五条悟はどこかに消えていった。

目隠しごし。

それでも表情は伝わる。

その表情には、見覚えがあった。

でも、それは結びつけるべきではないと判断する。

10年来の、居心地の悪くない関係。

決着がつくのは、もう少し後で構わなかった。

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zyunri(プロフ) - こはさん» コメントありがとうございます!更新まで、もう少しだけ待っていてください!頑張ります! (2023年4月20日 20時) (レス) id: 8124b8ac06 (このIDを非表示/違反報告)
こは - 更新楽しみにして待っときます (2023年4月8日 11時) (レス) @page44 id: b559896119 (このIDを非表示/違反報告)
うおまわり(プロフ) - zyunriさん» はい!楽しみに待ってます(*´︶`*) (2023年3月29日 15時) (レス) id: 13372335d3 (このIDを非表示/違反報告)
zyunri(プロフ) - うおまわりさん» コメントありがとうございます!大好き……嬉しすぎて泣いてしまいます……!続編もお楽しみに (2023年3月29日 14時) (レス) id: 8124b8ac06 (このIDを非表示/違反報告)
うおまわり(プロフ) - めっちゃんこ大好き… (2023年3月29日 12時) (レス) id: 13372335d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:zyunri | 作成日時:2022年9月9日 15時

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