67 ページ22
襲撃の翌日。
私達学生は、交流会についての話し合いで呼び出された。
やってきたのは五条悟。
「っつーわけでさ、色々あったし、人も死んでるけど、どうする？続ける？交流会」
と、単刀直入に言った。
あれ程の事件があったことから、私は交流会は中止になる可能性が高いと思っていた。
実際、学長達は中止にするつもりだったはずだ。
五条悟が無理を通したと考えるほうが自然。
「うーん……どうするって言われてもなぁ……」
「＿＿＿＿＿＿当然。続けるに決まっているだろう」
そう言い放ったのは、東堂葵。
件の襲撃で、最も大きな戦績を上げた人物のひとりである。
「その心は？」
五条悟が問うと、東堂葵は顔の横で人差し指を立てた。
「1つ、故人を偲ぶのは当人と縁のある者達の特権だ。俺達が立ち入る問題ではない」
東堂葵が中指も立てる。
「2つ、人死にが出たのならば、尚更俺達に求められるのは強くなることだ。後天的強さとは、結果の積み重ね。敗北を噛み締め、勝利を味わう。そうやって俺達は成長する。結果は結果として在ることが、1番重要なんだ」
東堂葵は見た目から誤解されがちだか、頭の回転が速く、頭脳戦が得意なタイプだと聞いたことがある。
我が強い反面、確固たる意志と理論を持っているように見える。
「3つ、学生時代の不完全燃焼感は、死ぬまで尾を引くものだからな」
「オマエいくつだよ」
「俺は構わないですよ」
賛同の意を示したのは伏黒恵。
「どーせ勝つしね」
釘崎野薔薇も言う。
「屁理屈だが一理ある」
「加茂君は休んだら？」
加茂憲紀は、今回1番の重症者。
顔に包帯を巻いている。
「異議なーし」
「しゃけー」
パンダと狗巻棘も賛同する。
真希が口を開いた。
「個人戦の組み合わせはくじ引きか？」
「え。今年は個人戦やんないよ」
「「「「「「「「「「「？」」」」」」」」」」」
『交流会』
呪術師にとっての繁忙期が過ぎて落ち着いてくる毎年9月に、東京校・京都校それぞれの学長が提案した勝負方法を、1日ずつ2日間かけて実施される。
とはいっても、それは建前。
初日は団体戦、2日目は個人戦が行われるのが通例となっている。
私もてっきり、これは変わらないと思っていた。
個人戦で誰が当たるのか、考えていたくらい。
「僕、ルーティンって嫌いなんだよね。毎年この箱に勝負方法入れて、当日開けんの」
それは、学長達も合意の上なのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 848人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
zyunri(プロフ) - こはさん» コメントありがとうございます！更新まで、もう少しだけ待っていてください！頑張ります！ (2023年4月20日 20時) (
レス) id: 8124b8ac06 (このIDを非表示/違反報告)
こは - 更新楽しみにして待っときます (2023年4月8日 11時) (レス) @page44 id: b559896119 (このIDを非表示/違反報告)
うおまわり(プロフ) - zyunriさん» はい！楽しみに待ってます(*´︶`*) (2023年3月29日 15時) (レス) id: 13372335d3 (このIDを非表示/違反報告)
zyunri(プロフ) - うおまわりさん» コメントありがとうございます！大好き……嬉しすぎて泣いてしまいます……！続編もお楽しみに (2023年3月29日 14時) (レス) id: 8124b8ac06 (このIDを非表示/違反報告)
うおまわり(プロフ) - めっちゃんこ大好き… (2023年3月29日 12時) (レス) id: 13372335d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：zyunri | 作成日時：2022年9月9日 15時
