検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:17,187 hit

8.対等に ページ8

室内、室外のドアのぶをそれぞれが掴み、押し合へし合いが続く夜中の二時。


 ツナギ姿の(おっさん)と、黒ビキニの(社長)が一枚のドア越しに何をやっているのかと思われるでしょうが、暫くお付き合いください。




「入って来ても良いとは言っておらんだろうが、ボケ!」

「だって着替えに三十分もかかってたら心配するだろうが!」

「だからって女子更衣室に入って来るおっさんがいる!?」

「女子更衣室も男子更衣室も一緒だろうが!」

「小学生みたいなこと言うな、おっさんが!」




 リエは怪力のおっさん相手にひとり奮闘する。今のおっさんが残業で疲労困憊しているのが運のツキだ。二十歳の女がちゃんと対等に張り合えているのも、全ては重労働のおかげ。



 そんなこんなしながら、リエは女子更衣室の中を見渡す。何か羽織れるものがあれば一枚でもあれば良いのだが、何かないだろうか。


 白衣……を着たらパンツ見えないし、今日来てたコート……は社長室だ。




「……もしかして、まだ着替え中なのか?」

「へっ」




 いきなり物事の核心をつかれて、肩をびくりと弾ませるリエである。


 ドアにかけられていた圧が同じタイミングで弱くなり、次第に両方が手を離す。




「……流石にもう水着には着替えてるんだろ。どうした?」

「いや、その……」

「いいから、ゆっくり出てこい」




 こんなところでもじもじしている訳にもいかないと、リエは仕方なく右足を前に出す。尻餅をついたことで脱げてしまったスリッパのせいで、足裏に冷たい感触が伝わった。


 ゼンに促されるまま、リエは女子更衣室からひょっこり顔を出す。


 俯いてまともにリエはゼンと目を合わせない。どういうこっちゃと首を傾げていたゼンだったが、二十センチほど開いたドアから、リエの肩から足までの姿が見えて、事態を察した。




「その……、寒くないか」




 あえてリエは、“恥ずかしい”という言葉を使わずに、上着が必要であるという旨を目の前にいるおっさんに伝えた。

9.細かく確認する→←7.安っぽい展開になってきましたぜ


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
設定タグ:ラブコメ , オリジナル , 未来   
作品ジャンル:ギャグ, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します!レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー! しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作成日時:2016年11月24日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。