６．実験体にならなきゃいけないんだよ ページ6
「それでさぁ……」
ゼンの提案に、リエは期待を込めた眼差しを向け、耳を澄ます。これぞ製作者と、そのアシスタントの仕事だ！ と胸をわくわくさせているのだ。
「これ、まだ人体実験してないんだよな。
リエが最初の実験体になってくれね？」
リエは自分の視界が、白黒逆転するのを感じた。世界から色がなくなるのを感じた。ゼンはリエにむかって、掌を合わせてお願いのポーズをとっている。リエは口を開けたまま、自分の胸のわくわくが遠くなっていくのを感じた。
「今何と？」
「パンツを自動で履かせる機械、パンツマンの最初の実験体になってって頼んでる」
聞き間違えではない……、リエは唖然とした。
そして自分の中の何かの糸がプツンとキレた音がした。
「な、な、ななな、なんで私が実験体にならなきゃいけないんだよ！ これの対象年齢は赤ちゃんじゃねーのかよ！ なんなんだよ！」
「わ、わ、怒るなってばリエ！」
「お前は本当にアシスタントが何でも屋ではないって分かってるんだろうなクソガキ！」
「俺はリエより年上のおっさんだ!!」
リエはパニックになり、実験台に足をのせてゼンの胸倉をつかんでいた。意味の不明なことまで大声で叫び、ゼンに抗議の声をあげている。
「これはな、赤ちゃんも対象になってる！ だがな、ヘルパーさんにも売れるぜ」
「ヘルパー？」
「ああ、老人を介護してる仕事に就いている人だ。他人に自分の股を見られて恥ずかしくない人がいると思うか？ 他人の股を見て喜ぶ人間がいると思うか？」
「……おい、最後の言葉」
「確かに俺はＪＫの股を見ることができたら喜ぶと思うが……」
ゼンはぽりぽりと自分の蟀谷をかき、取り直した。
「とにかくだ！ 視野を広げたら、老人の介護にもこれは役立つと思ってるんだ。
パンツを履かせる対象に狙いを定めると、その人の骨格なんかも見極められるんだ。全年齢対象ってこと」
「いやいや、だからって私を実験体にするとか」
躊躇うリエの鼻の前に、ピッと一本人差し指が突き付けられた。
「お前がこれをプロデュースしてくれるんだろ。自分がこれを使用した感想もあれば、それを参考に出来るんじゃないかと思って、俺は言ってるんだが？」
「……正論言うな、ばか」
リエは言いくるめられた感満載の気持ちになったが、渋々実験体になることを承諾した。
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しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します！レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (
レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー！ しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル・ハジェンズ | 作成日時：2016年11月24日 22時
