２４．もちろん！ ページ24
「時たま製作所に顔を出した時にゼンがいなかったりするのだけど、まさかカスタマー部署の伊南に会いに来てるんじゃないでしょうね？」
「おぉっと。そのまさかだったらどうするってんだよ？」
「はぁ？」
リエとゼンは猿と犬のように激しく睨み合った。リエは仕事の契約として、勤務時間中にプライベートをはさまない規約を提示している。
それを理由に多少の罰則を与えることもできる――が、ゼンはこのファーフ・オークション会場の稼ぎ頭である。リエも強くは当たれないのだ。
そのことをよーくふたりは知っている。
ふたりは睨みあったまま……というか、勝負は明白である。業績という結果を残しているゼンの方が立場は何倍も強いのだ。リエは奥歯を悔しそうにかみ、ゼンは余裕の表情でリエを見下している。
ふたりの間には火花がバチバチと散っていた。その因縁はカスマターセンターの受付嬢をもびびらせるほどだ……。ふたりを見やるのに精一杯で、おかっぱ頭がきょろきょろと揺れている。
「あっ、ゼンちゃーん♥ 来てたんだぁっ」
ぴりぴりした空気を壊したのは、溌剌とした女性の声である。元気さと色気が混じった、少しねっとりした声がすぐにゼンの視線をひきつけた。
「あっ、伊南ちゃん！」
「いらっしゃい。今日も和菓子食べてく？ 洋菓子がいい？」
「あははー、今日は和菓子にしようかな。お茶たててくれる？」
「もちろん！」
『ちょっと待ったァァァァ!!!!!!』
リエは部署全体に響くような大声を出し、ふたりの平和なやりとりに横やりを入れた。
ここでやってきた伊南、というのはカスマター部署で働く一人の女性のことだ。
長いウェーブのかかった金髪と目元のほくろが色っぽく、スタイルも良く、男性からは人気があった。あまり色香を漂わせる存在でもなく、マドンナ的存在でもないので男性から熱狂的に支持されている、という訳ではないのだが。
とにかく、伊南というこの女はゼンに気に入られているのである。馴れ初めなんていくらでもゼンなら作れるのだろうし。
「伊南！ そもそも今勤務時間中でしょ？ なにゼンとお茶会開こうとしてんの。なに和菓子がいい？ 洋菓子がいい？ って。会社に遊びに来てんのか！」
「あらぁ、社長じゃないですかぁ。お久しぶりです〜♥」
「人の話を聞かんかい！」
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しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します！レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (
レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー！ しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル・ハジェンズ | 作成日時：2016年11月24日 22時
