22.ははぁ、なるほどね ページ22
「おお、らっしゃい」
「おお、久しぶりー」
おっさん同士が片手を上げて軽く挨拶する。リエが前見た時は拳と拳を合わせる妙な挨拶をしていたものだが、今回はしないらしかった。
ゼンとリエに気さくな態度で絡むのは、ヨシと呼ばれるゼンと同世代の男。
たるみ、痩せたおじさんという表現がピッタリだろうか。
接客もしなくて良いので外見はダメダメだ。だらしなく髭を伸ばしており、長く伸びた髪の毛はゴムで適当に縛られている。
ただし、仕事のプライドが高く、きっちりしてくれる人なのでリエもとやかく言う気はなかった。
ここは宣伝アシスタント部だ。別名、宣伝補佐部。
エレベーターから出てすぐ、廊下の右側にある。透明な窓硝子が張ってあり、外から中の様子が確認できるようになっている。6台のパソコンと、ファイルが何冊も積まれた光景は普通のオフィスとなんら変わりない。
……因みに、外の様子が見える作りなのは、元が喫煙所だったから。ヨシはヘビースモーカーで、仕事中も煙草を銜えていないと落ち着かないのだそう。
リエはデスク上の灰皿を一瞥し、溜息をついた後に言った。
「こんにちは、ヨシ。今ゼンに部署紹介をしているのだけど、ここも紹介してくれないかしら?」
「え、何。暇なの?」
ヨシは煙草から唇を離し、ゼンを見上げた。
「有給休暇とったんだけど、することねーからさっ。暇潰し」
「ははぁ、なるほどねぇ」
くくっと喉の奥でヨシが笑う。
「まあ、今から紹介するまでもねーと思うけど。
えーっと、宣伝アシスタント部って言うのは、主に技術面だな。街を歩いてると、所々に鉄の棒みたいなのがあるだろ。懐中電灯みたいな。
そのライトの部分にイラストみたいなのが浮かび上がると思うんだけどさ」
ヨシはパソコンのキーボードに何かを打ち込むと、ハードウェアに接続された機器の電源を入れた。キーボードの横にあった小さな懐中電灯がピカッと光る。
「お、出て来た」
ライトに浮かび上がったのは、赤色の着物を着た――舞妓さんである。
それはお辞儀をして、くるりくるりと着物の裾を翻す。舞い始めた舞妓はイキイキとした表情で、命を吹き込まれたみたいだった。
「俺達はこれを作ってるよ。3D」
「へぇ」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します!レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー! しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作成日時:2016年11月24日 22時