21.俺が誘うからな ページ21
「じゃあさっ、俺とメール交換しよーっ♪」
「したいですっ」
「よろしいのですか?」
ゼンはポケットからスマホを取り出し、受付のテーブルに肘をのせた。受付嬢たちもささっとスマホを取り出し、ゼンと連絡先を交換しようとしている。
「いつごろメールしたらいいでしょうか?」
「主に昼休みと終業後かなー。24時間良いけどね」
「デートに誘ってもいいでしょうか?」
「おお、俺が誘うからなー」
全員乗り気なことに呆れ、そして怒りがこみあげてくる。
リエは尻尾をぶんぶん振るゼンの耳をぐいっと引っ張り、次に紹介する部署へと足を進めた。
「こらっ! 行くわよ、ろくでなし」
「いてててっ」
「アンタ達も、簡単に連絡先交換してんじゃないわよ。社内ルールを読みなさい、就業時間中はプライベートを挟まないって書いてあるでしょ」
受付嬢たちは、「そんな〜っ」と一斉に声を揃えた。仕方ないか、と諦める頃には2人の姿は遠くなっていた。
「二度とこんなことしたら許さないからねっ」
「冗談だってば〜、全くつれないやつ」
「アンタが馬鹿してると無性に腹が立つ」
ゼンは引っ張られ、腫れてしまった耳を痛がっていた。とれはしなかったが、一時的にだが伸びてしまっている。
融通がきかない、というよりかはコンプライアンスに厳しい――ゼンの有給休暇は誤魔化していたのだが――リエはゼンとの相性がつくづく悪い。
仕事仲間だし、ゼンがいないと会社が回っていかないので強く出られない面もあるのだが。
「次に紹介する部署は、宣伝補佐部ね。宣伝アシスタント部、とも言われているのだけど」
「タツヤがいるとこ?」
「そうね」
黄金の時計を正面にみて右側に進む。
制作場タワーは右の通路の奥、宣伝・広告タワーはその手前にある。別々の建物だが、所々に浮遊橋と呼ばれるもので繋がっているため、地図を覚えておけば移動はかなりスムーズに行える。
浮遊橋はファーフ・オークションのやんちゃな社員が勝手に作ってかけたものであるが、いつしか社長容認になった。便利性は勿論◎、安全性は勿論×なため、渡るのは任意。事故にあっても責任は一切取らない。
宣伝・広告タワーに入り、エレベーターで五階までいく。
もうすぐ製作発表、別名オークションの解禁日なので慌ただしい時である。機械音と靴音がそこら中から響く。
「おお、らっしゃい」
22.ははぁ、なるほどね→←20.この世界には合ってるけどな
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します!レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー! しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作成日時:2016年11月24日 22時