15.なんで上から目線なんだよ ページ15
「おっさん、ここに代金おいとく。御釣りはいらねー」
「毎度さーん。よう儲かったわ」
ゼンは自分とリエがいた席の間に一枚の紙幣を置いた。これであとラーメン5杯は注文できるだろうが、御釣りはいらないという。
先に店を出て行ったリエを追いかける。
男、年上という条件が揃えばどちらが御勘定を済ませるのかは決まっている。リエたちの住むビルドーはその特色が強い。
因みに男が女に恋心を抱いていればお勘定は女の目につかない場所で済ませる……などのルールも存在するのだ。どうでもいい相手だと目の前でやったりするが。
リエは吹いてきた夜風に身震いしていた。ラーメン屋の屋台は蒸気で温度が上昇していたが、一歩外に出れば寒くて仕方ない。
大きめにつくられた白衣の袖に手をつっこんで、腕組みをするように歩いている。
「ううっ、寒ッ……」
「リエ、さっきの話だけど」
「ラーメン美味しかったって話なら語ってやってもいい」
「なんで上から目線なんだよ」
ゼンが来てからリエは通常より速く歩いた。それを知ってか知らずか、ゼンも負け地とそれについてくる。
「おいリエ」
「私は早く会社に帰りたいんだ。話なら後日きこう」
「いや今。いーまー」
「今は忙しいかな」
「忙しかったらラーメン喰う暇ねーだろ」
「あーるー」
ゼンがリエの肩を掴もうとした時、それを察知したのか――。
リエは全力で走り出した!!!!!
「おいリエ!」
「寒いからっ、早く帰りたいんだよっ」
二人は夜中の街を猛ダッシュする。
もう何が何だか、と言った感じだが二人のことなので多めにみてやってほしい。
「リエってば!」
「話しかけるな!」
「この野郎っ」
重たい筋肉のついたゼンと、身軽で足の速いリエが走ったらどのように距離が開いていくのか想像するのは容易い。
すぐに距離が開いてしまい、ゼンは息を切らして立ち止まった。目はギラギラと獲物を追う獣のソレに似る。
ビルドーは表向きはサイバーパンクの町並みだが、裏側はスクラップで溢れ返っている。ぼろぼろになって錆た建物はスクラップ100%で構成。そしてその中には“鉄バット”もある訳で――。
ゼンは怒りのままに鉄バットを建物の中から引き抜き、リエに向かって投げ飛ばした。
「ひえっ」
ひゅっと宙を切る音が聞こえたので上を見上げてみれば、凶器が飛んでいる。
16.止められるとは思ってなかった→←14.ゼンはどうするの
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革ベルト
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しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します!レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー! しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作成日時:2016年11月24日 22時