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「割と本気でCanCam読んでる理由気になるんですけど。……好きな奴でも出来た？」
彼は私の頭を優しく撫で、ほどいていた髪を優しく触って梳かしていく。
其の表情は何かを、誰かを憂いているようにも思えて切なさを覚えた。
だけど憂いの中に穏やかさも含まれていて、其の穏やかな表情は私の胸に優しく染み渡る。
『…合コンに行くからファッションとかの勉強をする為に読んでるの』
"好きな奴"の問い掛けには否定も肯定もしなかった。
臆病者の私は、本音を天秤に掛ける事はせずに曖昧な場所を選ぶだけだった。
「……は？合コン？何で？」
先程迄優しく私の頭を撫でていた彼の手は動きを止め、穏やかな表情は途端に苛立ちを浮かばせているようにも窺えた。
彼の言動を疑問に思いながらも、岳に話した時と同じように説明を施す。
「…その合コンって六本木でやるやつ？」
『うん』
「…明後日とか言わないよな？」
『明後日だけど…どうして？』
疑問が的中した彼は"はぁー"と深く溜め息を零した後、両手で顔を覆い隠した。
「……何でもない」
全く以て"何でもない"ようには見えなかったけれど、問い詰めた所で彼が教えてくれるとは到底思えなかった私は、彼の姿を見詰めるだけに留まった。
暫しの沈黙の後、口を開いたのは彼だった。
「そろそろ行くわ」
束の間の時間を彼と過ごせた事に喜びを感じていたのに、終わりが来た今は波のように寂しさが押し寄せる。
「ネクタイ結んでくんない？俺、ネクタイ結ぶの超苦手なんだよね」
返事をしていないにも関わらず、彼は私の目の前に立って距離を縮めてくる。
至近距離で佇む彼に、見上げた直ぐ傍に居る彼にまた一つ胸がざわつく。
「…見過ぎ。照れるからこっち見んな」
彼と視線が交わった時、知らず知らずの内に彼に見蕩れていた事に気付かされる。
『…ごめんなさいっ、』
彼が外方を向いたと同時に私も視線をネクタイへとずらし、急いで其れを結び直す。
「……Aに至近距離で見つめられると心臓持たねぇからマジで」
搭乗アナウンスと人々の会話による雑音でごった返す中、私の耳は彼の言葉を訊き逃さなかった。
頬を紅潮させながら伏し目がちに呟いた彼の唇は一体、どんな気持ちが込められているのだろう。
手を伸ばせば届く距離にあるのに私には一つも知る術が無くて、もどかしさで一杯だった。
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ami(プロフ) - YULYさん» こんばんは！あちらの作品読まさせていただきました！次の展開が気になって、ドキドキワクワクしてます！ (2015年10月9日 19時) (
レス) id: 420a20c751 (このIDを非表示/違反報告)
YULY(プロフ) - agnellaさん» agnella様、先日は此方と彼方にもご感想を下さって有難うございました♪agnella様から２つもご感想を頂いてとっても幸せです(照)パイロット内田さん、そして一途な内田さんをお好きになって頂いて大変嬉しいです♪新章でも宜しくお願い致しますね♪ (2015年10月9日 17時) (レス) id: 25f226d759 (このIDを非表示/違反報告)
YULY(プロフ) - amiさん» ami様、こんばんは♪先日も御丁寧にコメントを有難うございました(*´-`*)今夜は約１週間振りにあちらの作品を更新させて頂くので是非ご覧頂けたら幸いです。それでは、また♪ (2015年10月9日 17時) (レス) id: 25f226d759 (このIDを非表示/違反報告)
agnella(プロフ) - パイロット内田、かっこいいです！！！！！！！一途な内田さん、嫌いじゃないです(*^_^*) 続きが気になります。これからも頑張ってください。 (2015年10月5日 1時) (レス) id: 9be3da9e01 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - YULYさん» おはようございます！はい！読まさせていただいてます！こちらの作品の更新も楽しみにしてます！岳さん頑張って欲しいです！ (2015年10月2日 8時) (レス) id: 420a20c751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YULY | 作成日時：2015年7月22日 6時
