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暖簾を潜ると一見客でも居心地の良さを感じる程で安心感さえ覚える。


店内には仕事終わりのサラリーマンやOL、家族連れで賑わいを見せていた。


人混みや人が多く集まる場所が苦手な俺は普段なら一刻も早く店から出たいと思うけど、何故か此所だけは嫌な気が起きなくて。




彼女のお気に入りの店だからなのか。

其れとも彼女が隣に居るからなのか。






『兵ちゃーん!』


「Aちゃん、いらっしゃい!ん?今日のお供はあっちゃんじゃないねー」



Aさんに気付いた"兵ちゃん"が此方へ近付き、彼女がいつも座っていると云う奥の席へと案内してくれる。


不意に零した"あっちゃん"とは篤人くんの事で、行き場の無い嫉妬心をまた少し抱き始める。






『私と同じ整備士で一緒に働いてて、名前は岳っていうの。私は親しみを込めて"岳ちゃん"って呼んでる』


「へぇー!外見だけじゃなく職業もカッコイイなんて、きっとモテモテなんだろうなー!兵ちゃん、羨ましいよ!」



人懐こい笑顔で豪快に笑ってみせる兵ちゃんに、どう反応して良いのか分からず、ただただ面映ゆさが溢れる。






「それにしてもAちゃん、ハンサムに囲まれてるねぇ。あっちゃんに引き続き、岳ちゃんとは!」



兵ちゃんは水が入ったコップをAさんと俺に差し出すようにテーブルへと置く。






「こういう時、何て言うのかな?"両手に花"じゃなくて……"両手に男前"?」



腕を組みながら考えに考えを巡らせた、辞書にも載っていない兵ちゃんの台詞を耳にしたAさんと俺の目線が絡み合う。






『もう!冗談はいいから早く準備してよ、兵ちゃん!』



兵ちゃんは"ガハハ"と豪快に笑いながら厨房へと戻る。





頬を朱色に染める彼女の真意は一体どんなものだったのだろう。


彼女の瞳にゆらゆらと映った俺の表情は一体どんなものだったのだろう。


其れは、水滴を垂らしながら常温へと変化していくコップの水だけが知っていた。






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3→←1 インディゴブルー



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ami(プロフ) - YULYさん» こんばんは!あちらの作品読まさせていただきました!次の展開が気になって、ドキドキワクワクしてます! (2015年10月9日 19時) (レス) id: 420a20c751 (このIDを非表示/違反報告)
YULY(プロフ) - agnellaさん» agnella様、先日は此方と彼方にもご感想を下さって有難うございました♪agnella様から2つもご感想を頂いてとっても幸せです(照)パイロット内田さん、そして一途な内田さんをお好きになって頂いて大変嬉しいです♪新章でも宜しくお願い致しますね♪ (2015年10月9日 17時) (レス) id: 25f226d759 (このIDを非表示/違反報告)
YULY(プロフ) - amiさん» ami様、こんばんは♪先日も御丁寧にコメントを有難うございました(*´-`*)今夜は約1週間振りにあちらの作品を更新させて頂くので是非ご覧頂けたら幸いです。それでは、また♪ (2015年10月9日 17時) (レス) id: 25f226d759 (このIDを非表示/違反報告)
agnella(プロフ) - パイロット内田、かっこいいです!!!!!!!一途な内田さん、嫌いじゃないです(*^_^*) 続きが気になります。これからも頑張ってください。 (2015年10月5日 1時) (レス) id: 9be3da9e01 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - YULYさん» おはようございます!はい!読まさせていただいてます!こちらの作品の更新も楽しみにしてます!岳さん頑張って欲しいです! (2015年10月2日 8時) (レス) id: 420a20c751 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YULY | 作成日時:2015年7月22日 6時

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