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流星side
どれだけ時間が経ったんやろうか。
さすがに限界やった。
関ジュのみんなに隠すのも、俺の心も。
耐えきれなくなった俺は1人、稽古にも参加せず稽古場の屋上で空を見上げて寝転んでいた。
稽古に参加したくても、思うように体が動かへん。
1歩踏み出す度に刺すような痛みが走り、ステップなんてとてもやないけど踏めへん。
それに、みんなのなかにおるのが辛かった。
隣におるだけで気が緩んで泣きそうになってまうから。
あんな悪意を真っ向に受け続けて気丈に振る舞えるほど俺は大人やない。
そんなちっぽけな理由で俺は初めてレッスンをサボっていた。
じわりと滲んだ世界をシャットダウンするように目を閉じれば自然と眠気が襲ってきて、そのまま睡魔に身を任せた。
がちゃり、と扉が開く音で目を覚ました。
そっと世界を見てみれば丈くんの姿が。
怒っているのかな、と思ったけれどそうではないみたい。
悲しそうな顔をしながらすとん、と俺の頭元に座った。
くしゃり、と髪を掻き回される。
されるがままになっていれば丈くんが、なぁ、と口を開いた。
「なんか、あった?」
ぽろり、と頬に涙が伝う。
何があったかなんて言葉にすら出来なくて、1度決壊したダムを再建することも出来なくて。
丈くんの手が暖かくてただひたすら泣きじゃくった。
丈くんは何も言わずにずっと隣にいてくれた。
「ほら、ちょっと起き上がり?こっちおいで」
泣き止まない俺を立ち上がらせて膝の上に座らせられる。
ぐ、と肩に目元を押し付けるように後頭部の丈くんの温もりのある手のひらが触れた。
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ぽん(プロフ) - みどりくんも読ませて頂いてます。こちらも更新お待ちしてます(><) (2019年7月6日 1時) (レス) id: 8bb0c991f7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 受験勉強頑張ってください。是非また更新お待ちしております (2019年5月21日 14時) (レス) id: 8bb0c991f7 (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - いつも楽しみに読んでます。早く更新されるのまってます。 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 137beba8ce (このIDを非表示/違反報告)
ロン太(プロフ) - 由真さん» コメントありがとうございます。由真さんのリクエストはとても惹かれるので書いてみたいな、と思うのですが個人的な理由によりただいまリクエストをお受けしておりません。申し訳ないです…また機会があれば書かせていただきますね (2019年3月20日 22時) (レス) id: e6d2555a07 (このIDを非表示/違反報告)
由真(プロフ) - リクエストの続きで、流星の変わり果てた姿を見て、怒り狂った恭平は、小道具のゴルフクラブで、プロデューサーに襲いかかるけど、大吾に止められて、「今度、流星に近付いたら、そのときは俺が始末してやる!」という大吾の姿に、流星を大吾に譲る話をお願いします (2019年3月19日 19時) (携帯から) (レス) id: 49bfd89e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロン太 | 作成日時:2019年3月2日 19時