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高橋side
流星くんが血液恐怖症だなんて聞いたことがなかった。
ちゃんと話を聞いたわけやないけど、反応から見て多分そうなんやと思う。
流星くんの前で流血するような怪我もしたことがなかったし、知らんくても当たり前やけど大吾くんが知っとるなら俺らにも知らせて欲しかった。
楽屋に戻る流星くんを支えながら唇を噛んだ。
「…きょへ、」
「なんですか?」
「ごめんな、黙っとって」
俺は何も言えずにたださらさらの黒髪に指を通した。
「今日は、いきなりでびっくりしてしもただけやから、舞台とか、血ぃ出るって分かっとる時はこんなならへんからっ、」
何も言えへん俺を置いて流星くんは1人、懺悔をするかのようにすらすらと言葉を並べる。
「ちゃんと舞台立てるからっ、せやから、1人にしやんでっ、」
『1人にしないで』
俺の小さい脳では何がどう繋がってそうなるのかは分からへん。
けど、流星くんがありもしないことに不安を感じてるのだけは分かる。
そっとソファに並んで座ってぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫っすよ。どんな流星くんでも、俺らは置いて行ったりなんかしません。」
「流星くんと、みんなと肩を並べて進んでいきます。絶対。」
きゅう、と指同士が絡まった。
「流星くんは、俺が苦しんでるって分かってるのに俺を置いて行きますか?」
そう言えば小さく左右に首を振る。
「それと同じっす。メンバーなんやから、そんなん心配せんでええんすよ」
「ほら、もう今日は安心して寝てください」
繋がれた手をゆらゆらとゆっくり揺らす。
そうすれば肩に心地良い重みを感じた。
ちゃんと寝れたみたいや。
良かった。
また流星くんは不安になることがあるかもしれん。
今後、お仕事で大変なことになるかもしらん。
でも、俺らは絶対に見捨てたりしいひんから。
せやから、安心して弱いとこ見せてください。
なんて、健やかな寝息が聞こえるあどけない寝顔をじっと見つめた。
数分後、ちびっ子をちゃんとまとめて、流星くんの様子を見に来たみちながコンビに寝顔を撮られて、お兄ちゃん組に拡散されたのは流星くんには内緒にしとこうかな。
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ぽん(プロフ) - みどりくんも読ませて頂いてます。こちらも更新お待ちしてます(><) (2019年7月6日 1時) (レス) id: 8bb0c991f7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 受験勉強頑張ってください。是非また更新お待ちしております (2019年5月21日 14時) (レス) id: 8bb0c991f7 (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - いつも楽しみに読んでます。早く更新されるのまってます。 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 137beba8ce (このIDを非表示/違反報告)
ロン太(プロフ) - 由真さん» コメントありがとうございます。由真さんのリクエストはとても惹かれるので書いてみたいな、と思うのですが個人的な理由によりただいまリクエストをお受けしておりません。申し訳ないです…また機会があれば書かせていただきますね (2019年3月20日 22時) (レス) id: e6d2555a07 (このIDを非表示/違反報告)
由真(プロフ) - リクエストの続きで、流星の変わり果てた姿を見て、怒り狂った恭平は、小道具のゴルフクラブで、プロデューサーに襲いかかるけど、大吾に止められて、「今度、流星に近付いたら、そのときは俺が始末してやる!」という大吾の姿に、流星を大吾に譲る話をお願いします (2019年3月19日 19時) (携帯から) (レス) id: 49bfd89e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロン太 | 作成日時:2019年3月2日 19時