不安なんて ページ40
*血液恐怖症の描写があります
道枝side
少年たちの稽古中、舞台でセットを使って通し稽古をしていたときやった。
階段を登って、殴り合いの振りをする。
何人もがもみくちゃになって大乱闘、っていうシーン。
「わっ、!!」
ちびっ子の1人が階段で足を踏み外して落ちた。
幸い、2段目やったから足を捻ったりはせんかったみたいやけどセットの角で少し引っ掻いてしもたみたいで血が流れている。
「道枝!流星の目ぇ塞いで!!」
大事じゃなくて良かった、なんてぼんやり見ていればちびっ子を抱き上げた大吾くんがそう叫んだ。
咄嗟のことで頭が回らなかったけれどとりあえず流星くんを抱きしめて、顔を隠した。
「…流星、くん?」
大丈夫ですか、なんて言えなかった。
小さく震える体、短い呼吸。
大丈夫なわけない。
どうしよう、と思って周りを見てみるけれどAぇ!groupもおらんし、丈くんと大橋くんは別仕事でおらん。
今江くんと古謝くんもたまたまこの場にはおらんし、大吾くんは医務室にあの子を連れて行ってしもたみたいやし。
…どうしよ
ひゅう、と嫌な音がし始める。
あかん、このままや流星くん死んでまう
「みっちー」
背中から聞きなれた優しい声が聞こえた。
「大丈夫、ちょっと流星くん借りるな?」
ら
俺の頭をふわりと撫でてから俺の代わりに流星くんを抱きしめたのは。
「…きょ、へ」
「流星くん?聞こえる?俺やで、恭平やで?」
背中を呼吸に合わせて摩って、優しく声をかける恭平はいつもは馬鹿やのにやけにお兄さんに見えた。
「ん、上手、ちゃんと息出来てるで」
「…ごめ、も、いける」
流星くんにそう言われて、躊躇いながら視線を交わした。
「…ありがと、ごめんね」
ちょっと休んでくる、とふらふらしながら立ち上がった流星くんを恭平が支えながら階段を降りる。
「みっちーと長尾、ちびっこのこと、頼んだで」
そう言って流星くんを支えてはけていった恭平に強く頷いてみせた。
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ぽん(プロフ) - みどりくんも読ませて頂いてます。こちらも更新お待ちしてます(><) (2019年7月6日 1時) (レス) id: 8bb0c991f7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 受験勉強頑張ってください。是非また更新お待ちしております (2019年5月21日 14時) (レス) id: 8bb0c991f7 (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - いつも楽しみに読んでます。早く更新されるのまってます。 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 137beba8ce (このIDを非表示/違反報告)
ロン太(プロフ) - 由真さん» コメントありがとうございます。由真さんのリクエストはとても惹かれるので書いてみたいな、と思うのですが個人的な理由によりただいまリクエストをお受けしておりません。申し訳ないです…また機会があれば書かせていただきますね (2019年3月20日 22時) (レス) id: e6d2555a07 (このIDを非表示/違反報告)
由真(プロフ) - リクエストの続きで、流星の変わり果てた姿を見て、怒り狂った恭平は、小道具のゴルフクラブで、プロデューサーに襲いかかるけど、大吾に止められて、「今度、流星に近付いたら、そのときは俺が始末してやる!」という大吾の姿に、流星を大吾に譲る話をお願いします (2019年3月19日 19時) (携帯から) (レス) id: 49bfd89e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロン太 | 作成日時:2019年3月2日 19時