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流星side
誰もいない階段に座り込む。
「年下は黙っとけや」
その言葉がぐるぐると頭をかける。
そんなこと、言われんくても分かっとった。
年下やから、余計なことは出来るだけ言わんようにしてたし後輩なりに、やれることはしてきたつもりや。
同じ土俵に立てるように必死に努力してきたのに。
やのに。
それが認められんかったことが、伝わってなかったことが悔しくて、辛い。
でも何より。
何年も隣で同じ景色を見てきたと思っとった大ちゃんにそんなことを言われたのが、自分でも驚くほど胸に刺さった。
大ちゃんは俺の事を分かってくれとるって思っとったのに。
どんな感情なのか自分でも分からんくなって、どうしてか涙が止まらん。
体育座りした膝に口元を押し付けて必死に嗚咽を殺す。
「…流星」
静かな廊下に優しいはっすんの声が響いた。
泣いてる顔を見られたくなくて顔を上げられない。
「流星」
耳元でもう一度名前を呼ばれた。
それはこっちを見ろっていう無言の圧力。
ぐちゃぐちゃな顔を上げればお兄ちゃんの顔をしたはっすんがおった。
「ごめんな、変な言い合いに巻き込んで」
「…はっすんの謝ることちゃうやん」
ぽん、と頭に手が乗る。
温かさと重みが心地いい。
「大ちゃんも本心ちゃうよ。丈くんしか見えてなかっただけやで」
「…無意識の時に出た言葉は本心やで」
「あほやなぁ」
わしゃわしゃとノーセットの髪を掻き回された。
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ぽん(プロフ) - みどりくんも読ませて頂いてます。こちらも更新お待ちしてます(><) (2019年7月6日 1時) (レス) id: 8bb0c991f7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 受験勉強頑張ってください。是非また更新お待ちしております (2019年5月21日 14時) (レス) id: 8bb0c991f7 (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - いつも楽しみに読んでます。早く更新されるのまってます。 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 137beba8ce (このIDを非表示/違反報告)
ロン太(プロフ) - 由真さん» コメントありがとうございます。由真さんのリクエストはとても惹かれるので書いてみたいな、と思うのですが個人的な理由によりただいまリクエストをお受けしておりません。申し訳ないです…また機会があれば書かせていただきますね (2019年3月20日 22時) (レス) id: e6d2555a07 (このIDを非表示/違反報告)
由真(プロフ) - リクエストの続きで、流星の変わり果てた姿を見て、怒り狂った恭平は、小道具のゴルフクラブで、プロデューサーに襲いかかるけど、大吾に止められて、「今度、流星に近付いたら、そのときは俺が始末してやる!」という大吾の姿に、流星を大吾に譲る話をお願いします (2019年3月19日 19時) (携帯から) (レス) id: 49bfd89e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロン太 | 作成日時:2019年3月2日 19時