ちびりゅの病系短編集せかんど

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流星side




困らせたい訳やないのに、迷惑かけてしもた不甲斐なさに世界が滲んだ。



こんなことしたらさらに困らせてしまうって分かっとる。




けど、止められそうにはない。




頬を伝う雫は絶え間なく流れる。




「流星、泣かへんの」




「もっとしんどくなるで？」




優しい声にもっと涙腺が緩む。




ごめんなさい、ごめんなさいとうわ言のように呟く俺に丈くんは頭を撫でながらゆっくり語りかけてくれた。




「大丈夫、ちゃんとアイドルやれとったよ」




「ファンの人は絶対気付いてないから大丈夫」



「よう頑張ったな？」



そこまで慰めるように話してくれてたのにけどな、と急に声音が変わった。



「隠すんは良くないで」




「リハのあとやって大吾めっちゃ心配しとったんやから」




「何人かだけでもええ、なんなら大吾か正門だけでもええから伝えとってやって」




そこまで言って深く息を吸ってからそれに、と付け加えるように口を開いた。





「知らんかったらなんのフォローもできひんやんか」




「倒れてしまってファンに心配かけるんは嫌やろ？」




せやから絶対、隠さんといてな？そんなふうに言われれば頷くしかなくて。




そうすれば満足したようににっこり笑って、大吾呼んでくると出ていった。

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