ちびりゅの病系短編集せかんど

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正門side








「歌もダンスも、俺なりに頑張ってきたつもりやった」







「けど、それが目に見える結果になることはなくて、そんな時になにわ男子ができてん」







「ほんまに苦しかった。さっきまで隣におったのに急にでっかい差がついて、なんで俺はそこにおらへんねやろかって何回も、泣いた」







「どんどん有名になるあいつらに、汚い嫉妬もした。あいつらメインでライブが進んでいくんが死ぬほど悔しかった。こんなんやったら出たくないって思った。」







「そこは俺のポジションやったはずやのに、大ちゃんの隣で4人で笑ってるはずやったのにって、毎公演思っとった」







「せやけど、せやけどな」







「タッキーがどん底からすくい上げてくれてん」







これ以上缶を持っていれば潰してしまいそうで俺も音を立てないように机に置いた。








「初めは歌舞伎に出してやるって話だけやった」







「せやけど、Snow Manに入ることになって関西から離れることが決まって、余計に苦しくなった」







「俺はみんなが大好きや。せやから離れることなんて想像もせえへんかった」







「なんで、って。こんなはずやなかったのにって、何回ももがいて1人で悩んで、でも、今のままじゃあかんって心のどこかで思ってたから。」







「SnowManに入ることを、決めた」







「できるなら、関西で、関西Jrとして有名になってデビューしたかった。でも、それはきっと長くて苦しい道のりで、もしかしたら花が咲かへんかもしらん」







「せやったら俺は、近道を選びたい」







「売れたいねん、俺も」







「仲間を捨てたなんて欠片も思ってない。場所が変わるだけで俺はなんも変わらへん。今も昔も変わらんぐらい仲間が大好きや」

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