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流星side
脳が警鐘を発しよる。
けど、まだ、まだ、って。
確信がないから行動に移すことはできひんかった。
ガチャ、と鍵を閉めて笑顔で振り返った橋本さんは俺の知らん人で。
「ねぇ、」
1歩近付いてくる度に1歩下がる。
それを繰り返していればいつか終わりは来るわけで。
「どうして気付いてくれないの?」
その言葉が脳に入ってくると同時にかかとが壁にぶつかった。
「俺は毎日アピールしてるのに」
左手は俺の耳の横について、所謂壁ドン状態。
左手は太ももから腰にかけてをずっとなぞっている。
身長の高い橋本さんは少し腰を屈めて耳元で囁くように言葉を続けた。
「いいかげん、俺のものになってよ」
目の横を汗が滴り落ちた。
がたがたと震える足はもう役になんか立たなくて壁に体を預ける。
「…なぁ、」
橋本さんがさらに言葉を繋げようとしたとき、温度の低いこの部屋の空気を割くように軽快な通知音が響いた。
それは俺のズボンのポケットにあるスマホからで。
橋本さんはそれを取り出して相手を確認すると俺に押し付けた。
「じゃあ、今日も一緒に帰ろうね?」
そう言って出て行った。
扉が閉まるのを確認した瞬間、ずるずると壁伝いに座りこむ。
いつの間にか切れていた電話は大ちゃんからやった。
時間を確認すればレッスンスタートの5分前で、行かなきゃ、と思うのに腰が抜けているのか全く立てない。
かちかち音を立てる歯を噛み締めてなんとか這うようにして立ち上がった。
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ミカやん(プロフ) - 作者さんの作家活動が私の支えです。体調だけは、自分だけでも壊さないように頑張ってください。私はいま高校受験に向かっています。はるかに作者さんの方がレベル高いですがお互いがんばりましょ!!これからも投稿楽しみにしてます! (2018年12月31日 2時) (レス) id: e0d739f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
ミカやん(プロフ) - 私は部活の部長として本当に耐えれなくて、リスカしようとしてました、 もう部活は終わってるのに今でもたまに思い出して怖くなります。でもこのような病系の小説読むと落ち着きます。作り話だとしてももっと苦しんでる人がいるっておもいます。 (2018年12月31日 2時) (レス) id: e0d739f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
おはな - またまたすみません…。自分の感情を表に出すことが出来ないので、耐えられず私は何度も投げ出し、死のうとするくらいでした。でも同じ様に悩んでいる人のを見ると辛い思いをしているのは自分だけじゃない!っと言い聞かせて頑張っています。なので頑張りましょう! (2018年12月30日 2時) (携帯から) (レス) id: b2c87ca5f9 (このIDを非表示/違反報告)
おはな - 続けてすみません…。
そして親とは私は今、中3で受験をしなくてはいけないんですが、勉強が苦手でやってもやっても頭に入らなくて、でも親はその事を解ってくれず、毎日ひたすら怒鳴られるだけです。 (2018年12月30日 2時) (携帯から) (レス) id: b2c87ca5f9 (このIDを非表示/違反報告)
おはな - 初めまして
私もロン太さんと同じ様な事で悩んでいます。
学校ではずっと3年間仲良しと思っていた友達が裏で私の悪口を言っている事が分かりました。その事を知ってから学校が嫌になったけど、冬休み前だったので後何日学校来れば会わなくて済むとひたすら耐えました。
(2018年12月30日 2時) (携帯から) (レス) id: b2c87ca5f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロン太 | 作成日時:2018年12月9日 23時