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大吾side








「流星っ!!!」









ばたばたと足音が聞こえる。









乱暴に開けられた扉の奥にいたのはかつて肩を並べていた廉。









昨日、目が覚めたと連絡をしたらすぐ行く、と連絡が来た。









けど、おおにっちゃんは廉の顔を見る前にまた深い眠りにはいってもうた…









出血が酷かったみたいであと少し遅かったらほんまに死んでしもたかもしらんって。









丈くんの言う通りやった。









もっとちゃんと見とってやったらこんなことにならんかったかもしらんのに。









おおにっちゃんは自分を消してしまいたいって思うほど傷付いとるのに、俺はなんもできひんかった。









ほんま、ごめん。









「…りゅうせ、」









廉が優しく包帯の巻かれた手首を撫でる。









.









再びおおにっちゃんは眠り姫になってしまった。









おおにっちゃん自身の意思で。









今度は、永遠に眠ろうとしてん。









そんなん嫌や。









おおにっちゃんのおらん世界なんて考えたくない。









それは廉も一緒みたいで。









「俺、流星起きるまで帰らへん」









おおにっちゃんの手をぎゅっと握ってそう宣言した廉をあほか、としばいた。









けど廉の頭を掠めた手のひらには力なんて一切入らなかった。









規則的に上下する胸と機械が伝える命のリズムだけがおおにっちゃんが生きていることを伝えてくれる。









何も出来ない、知らない自分が不甲斐ない。









おおにっちゃんを助けてあげたいのに、自分らの存在すらおおにっちゃんを苦しめる材料になってまうかもって考えたらもうどうしたらええのか分からんくなる。









考えれば考えるほど色んなことに雁字搦めにされて身動きひとつできない。









おおにっちゃん、お願いやからもう一度目を覚まして…









踊れんくてええ、歌えんくてええ。









ただ、俺らの隣で笑ってくれたら、それでええから、消えんで…

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ミカやん(プロフ) - 作者さんの作家活動が私の支えです。体調だけは、自分だけでも壊さないように頑張ってください。私はいま高校受験に向かっています。はるかに作者さんの方がレベル高いですがお互いがんばりましょ!!これからも投稿楽しみにしてます! (2018年12月31日 2時) (レス) id: e0d739f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
ミカやん(プロフ) - 私は部活の部長として本当に耐えれなくて、リスカしようとしてました、 もう部活は終わってるのに今でもたまに思い出して怖くなります。でもこのような病系の小説読むと落ち着きます。作り話だとしてももっと苦しんでる人がいるっておもいます。 (2018年12月31日 2時) (レス) id: e0d739f7a6 (このIDを非表示/違反報告)
おはな - またまたすみません…。自分の感情を表に出すことが出来ないので、耐えられず私は何度も投げ出し、死のうとするくらいでした。でも同じ様に悩んでいる人のを見ると辛い思いをしているのは自分だけじゃない!っと言い聞かせて頑張っています。なので頑張りましょう! (2018年12月30日 2時) (携帯から) (レス) id: b2c87ca5f9 (このIDを非表示/違反報告)
おはな - 続けてすみません…。 そして親とは私は今、中3で受験をしなくてはいけないんですが、勉強が苦手でやってもやっても頭に入らなくて、でも親はその事を解ってくれず、毎日ひたすら怒鳴られるだけです。 (2018年12月30日 2時) (携帯から) (レス) id: b2c87ca5f9 (このIDを非表示/違反報告)
おはな - 初めまして 私もロン太さんと同じ様な事で悩んでいます。 学校ではずっと3年間仲良しと思っていた友達が裏で私の悪口を言っている事が分かりました。その事を知ってから学校が嫌になったけど、冬休み前だったので後何日学校来れば会わなくて済むとひたすら耐えました。 (2018年12月30日 2時) (携帯から) (レス) id: b2c87ca5f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロン太 | 作成日時:2018年12月9日 23時

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