Re)喘息 なにわver. ページ22
流星side
今日は地方でのロケ。
しかも泊まるんはホテルの個室とかやなくて、メンバー全員で寝れる旅館の大きい和室。
こんなこと滅多にないから、俺もメンバーもテンションが上がっていつも以上に騒いでた。
「必殺！隠れ身の術！！」
けんとがバサっと布団に潜り込んでアホみたいなことしてる。
大橋くんもそれに乗っかって暴れまわってはるわ。
今日のロケは観光ツアーみたいに色んなところに行って、それでこの旅館での様子も撮ってるらしい。
隠しカメラらしくえスタッフさんとかはおらんから、ほんまに楽屋のまんまって感じ。
「流星？」
「んー？」
壁に寄っかかってぼーってしてたら丈くんが隣に来た。
「どした？疲れた？」
「せやねぇ、ちょっと疲れたかもねぇ」
多分疲労からやけど、頭がぼんやりする。
カメラがあるからさすがにまだ寝たりはできひんけど、あそこに混ざって騒ぐんもしんどくてできひんかな。
「無理しやんのやで？」
「ん、わかってる」
丈くんは俺の頭をさっと撫でてあの塊に混ざりに行った。
あの人は撮れ高とか気にする人やから仕事をしに行ったんやろう。
俺はちょっと気掛かりがあるから端っこで大人しくしておこう。
その気掛かりが現実となったのはそろそろ寝つこうかとみんなが布団に収まり始めた頃。
コホコホと乾いた咳が止まらへん。
これは確実に知ってる前兆やった。
俺は小さい頃に小児喘息を発症した。
せやけど、事務所に入る頃には治ってたし、今までもこんな風にしんどくなることはなかったから誰にも言うてへん。
ここにおる、メンバーにもいう必要はないと思ってたのに。
ゴホッ、ヒュー
咳は時間が経つにつれて重くなる。
このままじゃあかん、と判断して念のため持ってきてた吸入が入ったポーチを掴んで廊下に出た。
せめて、カメラに映らんとこまで移動せな。
酸素の足らん頭で思うんもやっぱり仕事のことで、毒されてんななんて苦笑いを零してみる。
廊下の壁に背中をつけてそのまましゃがみ込めば、さすがに異変を感じたんか丈くんが来てくれた。
「喘息か、しんどいな？」
ごめんと謝りたいのに、肺から吐き出される空気はもはや言葉すら形成してくれへん。
「ちょっとこれ借りるで」
そういって、手に力が入らんかったから使えずに握り締めたままだった吸入を丈くんが口元に当ててくれた。
「はい、押すでー」
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ぽん(プロフ) - 更新楽しみにしています！ (2020年10月1日 16時) (
レス) id: 8bb0c991f7 (このIDを非表示/違反報告)
あぁちゃん(プロフ) - ちびりゅシリーズもこちらもクオリティ高くて文章や表現とても大好きです。大西流星くんの作品まだまだ期待しています。DMもさせて頂きました。よろしくお願いします (2020年4月17日 23時) (レス) id: 6731409e27 (このIDを非表示/違反報告)
ロン太(プロフ) - Fujitanatsuki14さん» ありがとうございます(^^) (2020年2月29日 20時) (レス) id: e6d2555a07 (このIDを非表示/違反報告)
Fujitanatsuki14(プロフ) - Twitterでdm送らせていただきました。 (2020年2月27日 15時) (レス) id: ba06389b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロン太 | 作成日時：2020年2月19日 21時
