Sorry for……2

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西畑side








「8時32分、逮捕！」








今更ながら聞こえてきたその言葉は、もう意味をなさない。







やって、もう全部終わってしもてんから。







あいつから守りたかったものは。






俺らが守らなあかんかったもんは。






今はもう、ないねんから。






今思えばおおにっちゃんを救う方法なんていくらでもあったはずやのに。






昨日も、俺はこの場所まで来てたはずやのに。






なんて後悔しても、もう遅い。






「…だいご」







ゆっくりと、俺の温もりが離されていく。






正門に支えられて立ち上がれば真っ白な寝顔が目に入った。






何度ごめんと言っても足りない。






何をしても償えない。







警察がおおにっちゃんを連れていくまで、俺は泣くことも忘れておおにっちゃんを見つめていた。







沢山の警察が押し寄せてきて、俺らは邪魔者かのように追い出された。






それが悔しくて、苦しくて、自分の無力さが恨めしかった。






外はもう真っ暗で、なのに、おおにっちゃんの家のあかりが足元を照らしている。






いつだって俺の行く先を照らしてくれたのはおおにっちゃんやった。






どんなに苦しくても前を向いて、笑ってた。






おおにっちゃんが大丈夫、って言えばなんでもできそうな気がしとった。







…やのに、俺の光は、もう見えない。

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