届かなくたっていい【Edds.world】

新しい…家…? ページ3

目が覚めた時には着陸の数秒前だった。

しまった!飛行機からの空の景色を撮って、友達に見せるつもりだったのに!!

…まぁいいか、帰りに撮ろう。


空港から出てバスに乗り、とある郊外の家の前に着いた。

「此処が新しい家よ!」

…はい?

「今なんて??」

あからさまに驚愕と言う字が似合う顔をしてる私に対し、お母さんは自慢げに家を紹介している。

キッチンがどうだのすごく広いだの部屋数が多いだの…違う私が聞きたいのはそうじゃなくて

「旅行じゃなかったっけ???」

「あら、言ってなかったっけ?一年間で思いっきりイギリスを楽しむのよ!」

一年間。

待って理解が追い付かない。

どう言う事なの。

茫然と突っ立てるとお母さんに"早く来ないと鍵閉めちゃうわよー!"と言われた。

「どれもこれもお母さんが急に言うから!!!」

そう怒って叫びながら、重い荷物を引きづって新しい家へ足を踏み入れた。

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