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第35話 ページ37

本日水曜日の放課後から初めての部活なのだが柄にもなく朝から緊張している。

なんてったって、人生でここまで名のある部活動、ましては運動部なんて初めてなんだから。
今まで文化系の美術部やら写真部やら、ちゃんとした先生がいないため活動がなぁなぁで少なく、大会に本気で努力して上り詰めるようなものやったことがない。

いや、流石に努力はしている。
良いものを撮ろうとしたり、描こうとしたりしてはいるが、それは個人的なことであり公になることが少ないのだ。

団体戦、チームで勝つ。
個人主義の私に合わないかもしれない。
不安、高揚(こうよう) (など)の感情が入り乱れて、少々不安定になっている。
放課後までに自分の中で落とし所を見つけないと。

思考を(めぐ)らせているうちにもう教室の前まで来てしまった。

「はぁ……」

思わずため息まで出てしまった。

「おはようAちゃん。入らないのか?」

「…おはよう仙道くん。入るよ、ごめん邪魔だったね。」

ちょっとびっくりした。
教室の古びた引き戸に手をかけて、いつもより広くなるように戸を引く。
いつも通り少し賑やかな教室に紛れた妙な空気が気がかりだが、とくに何もなく自分の席までたどり着く。
机にカバンを置いて、椅子を引くとそこには

「これはまた典型的だね。」

画鋲があった、ご丁寧に上を向いているね。

「どうしたのAちゃん?」

「いや、画鋲がね。掲示板の張り替えとかで偶然落ちたんでしょ。」

前の方で舌打ちが聞こえた気がするが、こんなの気に留めるものでもない。
画鋲を掲示板の前にあるケースに入れる。

ようやく椅子に座り、1時間目の国語の準備をする。
そこまで真面目ではないので、教科書は机の中だ。

「イッ……た…」

なるほどね、本命はこのカッターってわけだ。
突っ込んだのが左手でよかった。。
包帯が引っかかって小指が少し切れる程度で済んだ。
バレないように少し考えたらしい。

流石に陰湿でちょっとイラッとしたな

暴力というのは一時的な快楽だから、つまらなくなるか、満足できなくてさらなる暴力に走る。
つまりしばらく待てば、なくなるか大事になって学校自体から消えてくれるだろう。

教科書を出して、小指の血をティッシュで拭き取る。
絆創膏が増えてしまったな。

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設定タグ:スラムダンク , 仙道彰 , SLAMDUNK   
作品ジャンル:アニメ
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海嘯(プロフ) - もちさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です! (2020年2月1日 21時) (レス) id: fc5868216e (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - 最近スラダンにハマり、中でも仙道さんが大好きなので嬉しいです…!素敵な小説ありがとうございます! (2020年1月16日 0時) (レス) id: 64dfba108e (このIDを非表示/違反報告)
海嘯(プロフ) - ピースさん» お待たせしました。楽しんでいただけると幸いです! (2019年10月13日 23時) (レス) id: fc5868216e (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 続きを楽しみにしてます(^^)v (2019年9月15日 18時) (レス) id: b10b7fd267 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海嘯 | 作成日時:2019年1月21日 21時

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